連休の谷間や前日の大幅高にも関わらず、買戻しを急ぐ動きや先物への仕掛け的な買いもあって大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年05月01日 16時02分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 8977.37円 △149.11円
売買高 22億4750万株
日経平均先物 9030円 △170円
売買代金 1兆4547億円
TOPIX 846.85 △9.06
値上がり銘柄 848銘柄
東証マザーズ指数 344.88 △0.33
値下がり銘柄 737銘柄
日経ジャスダック平均 1037.49円 ▼3.10円
変わらず 119銘柄
騰落レシオ 91.54% ▼1.32%

日経平均

連休の谷間や前日の大幅高にも関わらず、買戻しを急ぐ動きや先物への仕掛け的な買いもあって大幅高

 米国市場はさえない動きとなりましたが、為替が円安に振れたことや決算発表が続々と行われるなかで、買戻しを急ぐ動きなどから買い先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も買い越しと伝えられたことから買い急ぐ動きもあったようです。ただ、一方で大型連休を控えた週末と言うこともあり、寄り付きからまとまった持高調整の売り買いも見られ、昨日同様に売り気配や買い気配から始まるものが多く見られました。寄り付きの買いが一巡したあとはいったん押し目を確認するような動きになりましたが、その後も断続的に買戻しは続き、大幅高となりました。

 さすがに前場は9000円を意識したところでは上値を押さえられ、その反動もあって後場は売り先行となりました。昼の市場外取引で売り決めがあったと伝えられたこともあり、売り先行、軟調な始まりとなったのですが、その後も断続的にまとまった買戻しが主力株に入り、指数を押し上げる展開となりました。押し目を作ってはまとまった買戻しが入るといった状況で終始堅調な展開となり、前場の高値を窺うような場面もありました。ただ、さすがに前場の高値を窺うところでは上値も重くなりましたが、仕掛け的な買いが入ると一気に上値追いとなり、一時9000円を超えるような場面もありました。最後は手仕舞い売りに押されて9000円台での引けとはなりませんでしたが、先物には最後まで買い戻しが入っていました。

 小型銘柄はまちまち、小動きとなりました。日経ジャスダック平均は軟調、二部株指数と東証マザーズ指数は小幅高となりました。先物は朝方から断続的にまとまった買いがあり、指数を押し上げる要因となっていました。引けを意識した時間帯には仕掛け的なまとまった買いも入り、大幅高の要因となりました。

 昨日の大幅高は月末だから、ということで理由はわからないでもないのですが、本日の大幅高は「誰もが高いと思わなかったから」高かったからではないかと思われるほどの上げでした。前日の大幅高、大型連休を控えた週末、豚インフルエンザの経済への影響が取りざたされるなかで、確かに売りたくなるところだけに買戻しや買い上がる動きがあれば一気に上昇となる可能性も高くなるのでしょう。さすがに1月以来の9000円乗せの引けとはなりませんでしたが、連休明けに9000円乗せとなるかどうかが大いに注目されます。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 ストキャスティックスは底値圏からの反発なのですが、RSIはまだ下値余地があるところからの反発となっています。上値は抵抗線=昨年10月、11月、そして今年1月の高値を結んだラインに押さえられた格好なのですが、連休明けにこ水準を抜ければ底入れ確認となる可能性が高くなりそうです。ただ、雲のねじれがあるところであり、再びここで上値を押さえられて押し目を確認することになる可能性も高そうです。

TOPIX

NYダウ

 遅行線が日々線を割り込まずに反発となっているので強含みの展開は続くのでしょうが、RSIもストキャスティックスも何とも中途半端な水準であり、4月高値水準を意識してこの水準で上値が重くなってしまうのかもしれません。まだ、遅行線が日々線のサポートを確認するような場面もあるのではないかと思います。

円相場

NYダウ

 遅行線が日々線に絡みながらの上昇となっています。日々線は雲のサポートを確認したものの基準線に上値を押さえられており、ストキャスティックスは底値圏からの反発なのですがRSIはまだ下値余地もあり、もう暫く遅行線が日々線に絡みながら上値の重い状態が続くのではないかと思います。

銘柄ピックアップ

連休前の持高調整の売り買いでまちまち

三井不動産(8801) 1271 △35

 前日の引け後に決算を発表、前期が5期ぶりの最終減益、今期も減益との見通しを発表したが、材料出尽くし感から買戻しが入り、大幅高となりました。

ダイワボウ(3107) 350 ▼80

 大幅反落、ストップ安となりました。豚インフルエンザ関連銘柄としてマスクの販売増を囃して買われていたことで連休前に利益確定売りや見切り売りがかさみ大幅下落となりました。マスクの売り上げがどの程度収益に貢献するか疑問視する向きもあり、いったん売られると大きな下げとなってしまうようです。

キヤノン(7751) 3130 △180

 円安に振れたことに加え、前日の引け後の決算発表で今期通期連結利益予想を上方修正したことが好感されて買いを集め、買い気配から始まった後も断続的に買戻しを交えながら買いが入り大幅高となりました。

デンソー(6902) 2495 △185

 為替が円安に振れたことや連休前の買戻しが入ったことで大幅高となりました。クライスラーの経営破たんの影響も限定的とされたことや28日に発表された今期業績予想が市場予想を上回ったことに加え同日付けの外資系証券のレポートで退く表株価が引き上げられたことを蒸し返す動きもありました。

商船三井(9104) 591 △30

 連休前の手仕舞いの買い戻しに加え、中国の4月製造業購買担当者景況感指数(PMI)が好不況の分かれ目とされるポイントを2ヶ月連続で上回ったことから目先筋の買いも入り大幅高となりました。

昭和電工(4004) 137 ▼11

 30日の引け後に今12月期の連結業績予想を下方修正、従来の黒字予想から一転赤字となる見通しを発表したことから売りが先行、外資系証券の投資判断引き下げもあって大幅下落となりました。

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