予想上回る決算や経済指標で買い先行で始まるも利益確定売りに押されて軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年05月01日 08時37分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8168.12 ▼17.61

<NASDAQ>1717.30△5.36

<為替:NY終値>98.61-98.67

予想上回る決算や経済指標で買い先行で始まるも利益確定売りに押されて軟調

 朝方発表になった新規失業保険申請件数や景気指数などが予想を上回って回復したことや予想を上回る決算を発表する企業が散見されたことなどから買い先行となりました。自動車会社の破産法適用申請のニュースも上値を押さえる要因とはなりましたが、株価の上では大きな影響はありませんんでした。ただ、利益確定売りや石油株などの芳しくない決算発表を嫌気する動きもあり、最後は軟調となりました。景気底入れ期待や自動車会社の破産法適用で一連の信用収縮、世界不況の底入れ期待もあり、下値尾むきになって売り叩くような動きも少なく、全般に底堅い雰囲気でした。

 個別企業の決算数字は芳しくないものも多く、個人消費なども底堅さは見られるものの底入れ確認とまではいかず、経済指標の好転もまだまだ、と言う感じです。ただ、一時期の悲観的な雰囲気はなく、芳しくない決算数字や経済指標にも冷静に対処しているようです。ある程度悪いところは織り込んでいるということであり、自動車会社の破産法適用までは「織り込み済み」と言うことなのでしょう。いろいろな懸念材料も徐々に解決、改善してきており、ここからは個人消費などに底堅さが見られるのかどうかなどに注目していくことになるのでしょう。

 個別には予想を上回る決算を発表したダウケミカルやスターバックスが大幅高、クライスラーの破産法適用が伝えられたのですがGM(ゼネラルモーターズ)は大幅高となりました。芳しくない決算を発表したエクソンモービルやシェブロンは安く、好調な決算ながらも業績予想を引き下げたプロクターアンドギャンブルは軟調となりました。赤字決算を発表したモトローラも売られ、利益確定売りもあって、JPモルガンチェースも軟調ととなりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高や休日前の大幅下落の反動もあって大幅高となりました。為替が円安に振れたことや外国人も買い越しと伝えられたことから、ハイテク銘柄や自動車株などの値がさ銘柄に買戻しを急ぐ動きがあり、大幅高となりました。為替は円高に振れるような場面もあったのですが、月末の持高調整と見られる買戻しも入っていたようで、断続的にまとまった買いが見られ、終始堅調な展開となりました。

 昨日の大幅上昇の反動や米国市場がさえないこと、大型連休を控えた週末ということもあり、日本市場は上値が重くなりそうです。ただ、為替が円安に振れたことや逆に市場全体に底入れ機運も出ていることから買い戻しなどを急ぐ動きが優勢になる可能性もありそうです。いずれにしても「連休後」をにらんだ動きと言うよりは目先的な材料や需給に振り回されることになりそうです。決算動向に個別に振らされることになるのでしょうが、「思ったほど悪くない」銘柄には見直し買いも入って来るものと思います。連休中の米国市場動向なども気になるところであり、最後まで買い上がれるかどうかといったところではありますが、基調は強含みとなっているのではないかと思います。

 節目と見られる8800円を抜けて来ましたが、次の節目と見られる9000円水準に突っかける場面もありそうです。ただ、連休を控えていることから9000円を大きく抜ける水準まで買い上がることはなさそうで、逆に9000円に突っかけるような場面では達成感から売りが優勢となりそうです。引き続き下値を8500円台前半、上値を9000円台前半といったレンジでの動き、が続くのでしょうが、本日だけを見た場合には円安を好感する動きはあるものの上値の重い展開となるのではないかと思います。

本日の注目点

◇3月の全国消費者物価指数(総務省)

◇3月の家計調査(総務省)

◇3月の有効求人倍率(厚労省)

◇3月の失業率(総務省)

◇メーデーでアジア主要市場と英国以外の欧州主要市場休場

◇4月の米ISM製造業景況感指数

◇決算・1−3月期:米シェブロン

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