婚活っていうけれど……そもそも「結婚」は必要なの?(1/2 ページ)

» 2009年04月27日 12時41分 公開
[唐澤理恵,INSIGHT NOW!]

唐澤理恵(からさわ・りえ)さんのプロフィール

お茶の水女子大学卒業後、大手化粧品会社に営業として入社。1994年32歳で最年少同社初の女性取締役に就任し、6年間マーケティング部門を担当する。2000年同社取締役を退任し、サブリネット株式会社を設立、代表取締役に就任。政治家・経営者のヘアスタイル、服装、話し方、立ち居振る舞いを指南するパーソナルデザイン事業を中心に活動。2007年4月社名を株式会社パーソナルデザインに変更。「イメージプロデューサー唐澤理恵Blog


「婚活」時代』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 最近話題になっている婚活。4月20日から中居正広さん主役の『婚カツ!』が始まりました。そもそもなぜこんな言葉ができたのでしょうか。このワードを産んだ書籍『「婚活」時代』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を読んで感じるのですが、そこまでして「結婚」する意味はなんでしょうか。私が経営するスタジオにも、見た目を磨き、印象をよくしようとする婚活中の男性が門をたたくことがあります。

 2005年の国勢調査によると、25歳から29歳までの男性の71.4%、女性の59.0%が未婚です。30歳から34歳を見ると、男性の47.1%、女性の32.0%が1度も結婚を経験していません。

 『「婚活」時代』にある年齢別未婚率の推移をみると、1975年を節目に「非婚化」と「晩婚化」が始まったことが分かります。それまではほとんどの人が結婚していたといっても過言ではない数字だったものが、この時期を境に大きく変化し始めたのです。

 男女とも20代、30代の未婚率が急激に高まり、男性については50代の未婚率も明確に高まっているのです。50歳時点で結婚していない男性は、1975年は2〜3%だったのが、2005年には15.4%。このまま進めば、今の若者の25%以上が一生結婚しないと予測されるというのです。

 私の父母は恋愛で結婚していますが、「恋愛=結婚」という時代だったといいますし、恋愛できなくてもある年齢になれば必ず親戚や会社の上司、近所の人たちが年ごろの合いそうな相手を紹介してくれたものだそうです。集団お見合いなんていうのもあり、結婚することは当たり前であり、そのための「お膳立て」には事欠かない時代だったのです。

 私の20代のころ(1980年代)はというと、恋愛自由化の時代でもあっただけに、数人の相手と恋愛をした上で、ほぼ20代で結婚しています。父母の時代と違うのは「恋愛=結婚」ではないということでしょう。そしてもう1つ、結婚紹介会社が現れたということです。少し年齢が上の同級生が大学時代にすでに結婚情報センターに登録し、数人の候補と会っていることを聞いて、そんなサービスが存在することと、今から結婚を考えていることに対して驚いたことを覚えています。

 そのころも、結婚は当たり前の時代であったように思います。

 ウィキペディアによると、世界192カ国で平均初婚年齢が高くなってきています。男性が25.2歳から27.4歳、女性は21.5歳から23.2歳になりました。上昇幅は先進国の方が大きいようです。日本での平均初婚年齢は女性で20代後半、男性はその1年上という現状です。

日本の出生率は1.25

 これだけの男女が結婚しなくなってきている現実をみると、果たして「結婚」という社会的システムそのものがどうなのかと考えてしまうのは、私だけでしょうか。

 もちろん、少子化という問題が非婚化や晩婚化につきまとう以上、放っておくことはできないとは思いますが、結婚しなくても子どもを産み育てる仕組みがあってもいいのでは……と思うのです。

 フランスに住む友人が数人いますが、彼らは結婚はしなくても一緒に住んでいます。そして、子宝を授かったときに結婚するかどうか話あって決めるんだといいます。フランスもある時期、少子化問題に見舞われましたが、今では出生率は増加し、2を超えたようです。その背景には手厚い家族手当や子育て手当のほかに、同棲による婚外子の一般化も一要因となっているのです。

 一方、出生率の低いドイツでは、フランスよりも性別役割分業意識が強いこともあいまって、女性は就業か子育てかの二者択一を迫られる状況が低下の一要因となっているようです。

 日本の出生率はというと、なんと1.25です。ヨーロッパの平均でも1.54です。これだけ落ち込む出生率の要因こそ、日本式「結婚」生活の縛り(つまり、男女の役割分担の慣習)ではないかと思うのです。

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