決算発表を控えて業績動向に敏感に反応しながら堅調な展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年04月23日 15時48分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 業績面での底堅さから売られすぎの修正などもあり堅調となりました。寄り付きの買いが一巡した後は上値の重さを嫌気して売られる場面もありましたが、底堅さを確認して切り返す動きとなりました。自動車株への投資判断の引き上げや決算発表を控えての上ブレ期待が強まって、買戻しを交えながら買い急ぐ動きとなったものと思います。

 決算発表を前に徐々に底堅さを確認する動きとなりました。まだまだ水準としては安い水準ではあるのですが、目先的な過熱感を冷ましながら業績面での上ブレを期待する動きも強まっています。ここへ来て、ようやく新聞報道などでも「思ったほど悪くない」と言うような表現をしているものも多くなりましたが、まだまだ悲観的な見方も多いようです。

 米国市場でも金融機関の決算に対する懸念、疑念が根強いようですが、少なくとも景況感には底入れ感もあり、銀行も損失を何とか処理できるような雰囲気になったということは評価すべきなのでしょう。これまでの悲惨な状況を考えるとちょっとした光もまだまだ信じられないのかもしれませんが、かなり雰囲気は明るくなったものと思います。銀行の損失がまだ出るのかもしれませんが、世界中で「何とかしよう」と言う動きになっていることで、徐々に「何とかなりそうだ」ということになるのでしょう。

 何度もこのコラムでも述べましたがまさしく、「相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち・・・」と言うことなのだと思います。そしてまた、皆と同じことをやっていては儲からないと言う事なのです。相場がもう底をつけたと安心しきったところで買いついてもなかなか儲かるものでもなく、ある程度のリスクを取ることが必要と言うことでしょう。先日も述べましたが、物色対象が広がったことなどを見ても少し相場の「潮目が変わった」のかもしれず、そうした変化にいち早く気がついて、対処したものが大きく利益を得ることが出来るのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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