米国株高を受けて買い先行で始まるも金融不安は払拭されず上値の重い展開が続く清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年04月22日 16時09分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株が大幅反発となり、為替も円安方向に振れたことから買い先行で始まったものの、戻りの鈍さを嫌気する動きなどから、手仕舞い売り、持高調整の売りも多く、一時軟調となる場面が見られるなどもたついた展開となりました。後場に入ってからは売り一巡感から堅調とはなりましたが、何とも上値の重い展開となっています。市場参加者は相変わらず増えることもないのか、決算発表の本格化を前に買い手控え気分も強いようです。

 買い手控え気分も強いのですが、本日の新聞にも掲載されていましたが、決算発表で上方修正となる銘柄群は比較的素直な反応となって上昇するケースが多いようです。以前からこのコラムなどでも述べてきたつもりですが、「思ったほど悪くない」決算が多いと思われます。この1から3月期の業績動向はとにかく「コストを減らせ」「在庫を減らせ」・・・などと大きな号令がかかって実際に行われた期であり、その効果が出ている企業は業績の上ブレが期待出来るということなのでしょう。

 また、為替も、円高を嫌う輸出企業などは慎重に「1ドル=90円」などと見て、逆に円安嫌う企業では「1ドル=100円」などと見ているところも多かったのではないかと思います。もちろん、その他の要因も多いのですが、為替だけを見た場合には1ドル=95円を中心とした相場であったことで、多くの企業が「思ったよりよかった」と言うことになった可能性もあります。また、在庫などの調整も世界的な景気てこ入れ策の効果で処分が進んだものも多いものと思います。

 ここから決算発表が本格化してきますが、トータルしてみると「思ったよりは良かった」と言うことになる可能性が高く、特に昨年の10月−12月の業績を見て、1−3月も同じような下落スピードが続くと想定して業績を下方修正したような企業は下方修正をしすぎたことで逆に上方修正となって来る可能性も大きいのではないかと思います。金融機関の破綻などがない限り、強気に見てもいいのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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