米国株安を受けて大幅下落だが、値ごろ感からの買いもあり底堅いものも散見される清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年04月21日 15時58分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株が大幅下落となり、日本市場もほぼ全面安と言う状況になりました。ただ、これまでの下落と違い、過熱感が強まっていたところでの大幅下落であり、また、全面安の中でもディフェンシブ銘柄やここまで売られすぎた感の強い、出遅れ感が強まっていた通信株や電鉄株の一角などが買われて底堅さも見られました。小売銘柄の一角も堅調となるなど買戻しも入っていたようです。

 大幅下落には変わりないのですが以前ほどの悲壮感はなく、米ドルを含めて為替が大きく円高に振れたのですが慌てて売り急ぐような動きも見られませんでした。ある程度こうした事態を想定していたということなのか、大きな下落にはなれてしまったのか、表面上は何とも落ち着いた動きとなっているように思われます。

 市場参加者がそれだけ少ないということもあり、あくまでも目先的な動きばかりを気にしているので、ある意味でいつもの相場と何ら変わらない、と言うことなのかもしれません。いったん大きく上下に動いてからは切り返す動きも限定的となるなど小動きとなることも多く、指数が大きく下がろうが上がろうがやることは変わらないということなのでしょう。

 相場の方向感も超目先的な動きばかりが気にされているようで、何ら変わりないようにも思えますが、今年初めの頃の相場と明らかに変化が見られるのではないかと思います。1月に9300円をつけて下落となる過程と今回9000円をつけたあとの下落、もたついた動きとは明らかに違いが見られ、特に物色対象が循環しているところや売られた銘柄が買い戻される動きなどを見ていると底入れ感が強いような気がします。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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