景気悪化も一因? 働きすぎの日本人、有給消化日数が11カ国で最低に

» 2009年04月21日 12時27分 公開
[塙恵子,Business Media 誠]

 やっぱり日本人は働きすぎなのでは?――日本を含めた11カ国中、日本人の有給休暇平均取得率が最低であることが分かった。

 オンライン旅行会社のエクスペディア ジャパンが、2009年3月から4月にかけて、日本、米国、英国、フランススペインイタリア、オーストリア、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの11カ国の男女有職者を対象に、インターネットを通じて有給休暇(休祝日、社休日を除く)の取得実態に関する調査を実施。その結果、日本人の有給休暇の平均取得日数は8日で、前年に引き続き調査国中で最低という結果になったという。

photo 平均付与日数のうちの平均取得日数(取得日数/付与日数)

 日本は、最も有給休暇を取得しているフランスの2割程度、調査国の平均の21日の4割程度しか有給休暇を取っていない計算となる。また日本人の有給休暇の支給日数は15日で、米国の13日に次いでワースト2位。支給された有給休暇をすべて取得できた人の割合は、わずか8%にとどまり、ほかの国がすべて50%を上回っていることに比べると、「有給休暇が少ない上に、休みを取らない(取れない)」という日本人の姿が浮き彫りになった。

photo 有給休暇をすべて取得した人の割合

photo 有給休暇の満足度

雇用不安も一因に? 7割が昨年より有給休暇取りにくいと回答

 日本の調査結果を前年の調査と比較したところ、付与日数は昨年の15.0日から14.9日に、取得日数では昨年の8.4日から7.9日と、わずかながら減少した。「前年と比べて有給が取りやすくなったか」という質問では、28.5%が「取りやすくなった感じる」と回答したのに対し、「取りやすくなったと感じない」が71.5%で、前年より取りにくくなったと感じている人が多い。理由としては「仕事が忙しくなった」が41%と最も多いものの、「解雇不安があるため」も35%を占め、自由回答欄には、「リストラで負担が増えた」「派遣切りのため人手が足りない」など、景気の悪化により有給休暇が取りにくくなっていることが分かる。

photo 有給休暇をすべて取得できない理由

有給休暇はやっぱり旅行。海外旅行は近場より遠出が人気に

 「有給休暇を取って実行したいことは?」という問いには、53.1%の人が「1泊以上の国内旅行」と答え、「遠出(欧州や米国など)の海外旅行」(23.1%)、「近場(アジアなど)の海外旅行」(20.9%)、「日帰りの国内旅行」(15.7%)が続いた。有給休暇は旅行に、また海外旅行をする場合はできるだけ遠出したい願望があるようだ。

photo 昨年と比べて有給休暇は取りやすくなったか

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