底堅さは見られるものの物色対象の広がりも限定的で指数の上値も重い清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年04月20日 16時13分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 先週末の米国市場は堅調となったのですが、週末の大幅高の反動や手仕舞い売りなどが優勢となり軟調な展開となりました。後場に入ると目先筋の買戻しなどもあって堅調となる場面もありましたが、8900円を挟んで小動き、目先的な需給に振らされ方向感のない展開となりました。景気底入れ期待と先行きへの不安が入り混じり、決算発表を前に株価にもどこまで織り込まれているのかを確認するような動きとなっているようです。

 なかなか市場参加者が増えないような感じですが、昨年来の下落相場を見るとなかなか株式市場に新規に出て行くには勇気がいるということのようです。少なくとも3月の底値から見て3割近く戻っているわけですから、大底で買った人たちは十分に儲かっているのではないかと思います。もちろん大底で買うことはまず不可能と考えてもいいのでしょうから「大底圏」で買った人達としても、十分に儲かっているのではないかと思います。

 ただ、今回の戻り相場は買い方の回転が効いたというよりは売り方の買い戻し=踏み上げが中心であったと思われ、実際に買って儲かったというよりは空売りをしては高値で買い戻すということも多かったのではないかと思います。実際に新たに株式市場に資金が流入しているという印象もなく、まだまだ「本気の」買いが入っているという状況でもないのでしょう。

 ここから決算発表が本格化して来ますが、「買いたい弱気」や「売っているから弱気」と言うようなコメントには惑わされないように、「思ったより良い」決算なのかどうか、をしっかりと見極めて行きたいと思います。新規の資金が流入してからは今度こそ勢いがついて大きな上昇となる可能性もあるのではないかと思います。日経平均の9300円から500円の節目を抜けてくれば、新規資金も入って来るのかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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