「J-POP、ロックに関しても、まだまだ彼らの活動の2〜3割しか捉えられていないと感じています。ですから、まずは、彼らとのパイプを増やしつつ、そのパイプを太くしてゆくことが必要だと思います」
今まで扱ってこなかった分野については、何かプランはあるのだろうか。「実は現状、楽器自体に関する情報が、ネット上にほとんど出ていないんです。音楽情報よりも更にプアであると言ってよいでしょうね。そういうこともあってか、この半年くらいそのニーズが急激に高まっていて、『BARKSがその救世主になる』という人もいるくらいです。この分野に関しては、我々の今後の課題として考えているところです」
そして、烏丸さんは、次のように言葉を継いだ。「マンパワーの問題を解決しなければいけませんが、いずれは、クラシック音楽やジャズも扱っていきたいと思っているのですよ」。クラシック音楽やジャズには、それぞれに固有の業界事情があり、BARKSとして、これまでとは異なった視点からの取り組みも多々必要となろう。
とはいえ、とりわけクラシック音楽のように右肩下がりの「衰退曲線」をまっしぐらに急降下していながら何らイノベーションを起こそうとしない分野においては、烏丸さんのような別の音楽ジャンルからの「変革者」こそが必要なのかもしれない。
それにしても、烏丸さんの音楽に対する愛と熱情には、本当に頭の下がる思いである。BARKSの今後いっそうの発展と、それを通じた日本の音楽シーンの再生に期待したい。
1956年福岡県生まれ、東京大学文学部卒。大手電機メーカー、経営コンサルティング会社勤務を経て、現在は自由が丘産能短大・講師、文筆家、戦略経営協会・理事・事務局長。企業の「経営革新」、ビジネスパーソンの「自己革新」を主要なテーマに、戦略経営の視点から、フジサンケイビジネスアイ、毎日コミュニケーションズなどに連載記事を執筆中。主要著書として、「Google なぜグーグルは創業6年で世界企業になったのか」、「43の図表でわかる戦略経営」、「ヤマハ発動機の経営革新」などがある。趣味は、クラシック音楽、美術、スキー、ハワイぶらぶら旅など。
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