業績の好転に期待する動きなどもあって大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年04月17日 08時40分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8125.43△95.81

<NASDAQ>1670.44△43.64

<為替:NY終値>99.25-99.31

業績の好転に期待する動きなどもあって大幅高

 朝方発表になった新規住宅着工数は予想を下回ったのですが、注目された銀行の決算は比較的好調とされ、また、新規失業保険申請件数も予想を下回り、雇用不安が薄れたことなどから、堅調となりました。堅調に始まった後は目先筋の利益確定売りや住宅着工数が芳しくなかったことなどを嫌気する売りに押される場面もあったのですが、ハイテク銘柄の決算に対する期待や予想を上回る景気指数の発表を受けて大幅高となりました。住宅着工数も一戸建ては前月とほぼ横ばいとなるなど少なくとも下げ渋り感は出ており、雇用不安も薄れつつあることで更なる景気悪化に対する懸念も薄れているようです。

 ハイテク銘柄の決算に対する期待も強いようですが、ナスダック指数が1650の節目(1月高値水準)を抜けてきたことで、「ダブルボトム」としての底入れを確認するような動きであり、まだぎりぎり抜けたところなので底入れ確認と断言できませんが、かなり底入れ感は強まるものと思います。これから発表される決算で一つ二つ予想を上回るような決算の発表でもあれば底入れ確認となって来るのではないかと思います。引き続き決算動向に振らされるのでしょうが、悲観的な見方はかなり少なくなっているのではないかと思います。

 個別には引け後の決算を期待してグーグルが買われ、連れてマイクロソフト、ヤフー、IBM、アップルなどハイテク銘柄は軒並み堅調となりました。JPモルガンチェースの決算も予想を上回ったことで買われ、先駆した感のあるゴールドマンサックスは変わらずでしたが、シティグループなども堅調となっています。原油価格は反発となりましたが、エクソンモービルやシェブロンなど石油株は軟調なものが目立ちました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国景気の底入れ期待などから買い先行となったものの、目先的な過熱感や日経平均が9000円を超えたことでの達成感、そして中国GDP(国内総生産)の発表への失望感から上げ幅を縮小、日経平均は小幅高、TOPIXは軟調となりました。ハイテク銘柄など輸出関連銘柄や金融株が安く、医薬品株の一角が堅調、非鉄金属株は市況の好転を好感して軒並み大幅高となりました。

 米国株、特にナスダック指数が大幅高となったことで日本市場も買い優勢となるものと思われます。米銀行株も予想を上回る決算となり、為替も落ち着いてきているので、底堅さが見られれば週末にも関わらず上値を買う動きも出て来るものと思います。決算発表が本格化するところでまだまだ悲観的な見方も多いようですが、取りあえずは景気底入れの兆しも見られるので、売り叩き難いものと思います。物色対象もきちんと循環しているようで、「全面高」とは行かなくても資金の回転はうまく効いているのではないでしょうか。出遅れ感の強いディフェンシブ銘柄などが水準訂正となり、輸出関連銘柄などが戻れば指数を押し上げることになるのでしょう。

 日経平均は9000円の節目を抜け切れませんでしたが、本日も上値を試す動きにはなるものと思います。一気に9000円を抜けるような動きにはなり難いのかもしれませんが、とりあえずは8800円水準(8800円割れ)は「買い」と言う印象を固める動きにはなるのでしょう。目先的な過熱感は依然として強いのですが、週末と言うことで買い戻しと手仕舞い売りやヘッジ売りが交錯しながら9000円を目指す動きになるのでしょう。手仕舞い売りに押されても8800円水準を保てれば「堅調」と考えられ、底入れ感がますます強まるのでしょうが、逆に手仕舞い売りに押されて8800円を割り込んで引けてしまうと8800円から900円を上値に、いったん押し目を確認するような動きになって来るのかもしれません。

本日の注目点

◇日銀支店長会議

◇日銀の地域経済報告

◇3月の消費動向調査(内閣府)

◇2月の第3次産業活動指数(経産省)

◇バーナンキ米FRB議長がスピーチ(ワシントン)

◇来日したトリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁が都内で講演

◇決算・2月期:ベスト電器(8175)、プレナス(9945)

◇決算・1−3月期:米ゼネラル・エレクトリック(GE)、シティグループ

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