中国GDP発表を受けた失望感で、上げ幅を縮小清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年04月16日 16時12分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国ダウ平均が大幅高となったことに加え、中国のGDP(国内総生産)発表を控えて景気底入れ期待が高まり、買い先行となりました。寄り付きの買いが一巡した後も一気に9000円を越える水準まで買われるなど、買戻しを交えてほぼ全面高、大幅高となりましたが、前場の引けに中国でGDPが発表されると失望感から後場に入ると一転、上げ幅縮小となりました。一時軟調となる場面もありましが、最後は買戻しもあって、何とか小幅高となりましたが、目先的な過熱感や9000円を超えたことでの達成感もあって、上値も重くなったようです。

 昨日はいろいろな観点から見た方が良いという話がありましたが、最近の相場で「機械的な」システム売買なども流行る場面もあったようですが、何でも機械的にすることには限界があるのではないかと思います。投資の世界ではそれも可能かもしれませんが、相場は毎日動いており、全く同じ相場と言うのはありえないのです。市場が参加者の思惑の凝縮されたものと考えれば常に参加者が出たり入ったり、損をしたり儲かったりしているわけですから、絶対に同じことはありえないのです。

 ただ、同じような心境になる場面、とか同じような外部環境、あるいは同じような値動きとと言うことはあるわけで、そこまでは「機械的に」見てもかまわないと思います。ただ、「何かあったとき」に機械的な仕方では対処できないということになるのでしょう。インターネットを使う取引も流行っていますが、インターネットの自動車保険や生命保険などは酷いもので、いくつかのパターンつまり「同じ状況」に無理やり当てはめるということをするわけです。こうした発想ではなかなか相場ではうまくいかないのではないかと思います。

 聞いた話なのですが、自動車保険など一律に「ここまで」と決めるものだから、対物保険に入れないケースなどを平気で勧めたりもするらしいです。対物保険に入らないまま本当に自動車を運転できるとでも思っているのでしょうか?機械的に行っているとそうした全くの「ピントはずれ」なこと、少し考えればすぐにわかることに気がつかないケースも多々あるのではないかと思います。勝手な思い込みや機械的に何でも済まそうというのは相場だけではなくいろいろなところで問題が生じるのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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