強弱まちまちの経済指標だが、ベージュブックの発表を受けて堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年04月16日 08時32分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8029.62△109.44

<NASDAQ>1626.80△1.08

<為替:NY終値>99.36-99.42

強弱まちまちの経済指標だが、ベージュブックの発表を受けて堅調

 予想を下回った鉱工業生産指数や先行きの業績不安、欧州銀行の赤字決算などを嫌気して半導体関連銘柄や銀行株を中心に売り先行で始まったものの、値ごろ感からの買戻しやベージュブック(地区連銀経済報告)の中で一部の地域で景気減速が緩やかになったと報告されたことから切り返し、ダウ平均は大幅高、ナスダック指数も小幅高となりました。景気全般に対する底入れ期待はあるものの、まだまだ疑心暗鬼という状況で、芳しくない決算や経済指標の発表にもまだ反応してしまうようです。それでも一時期の総悲観的な見方も薄れ、資金の回転は効き始めているようです。

 個別企業の決算に対しては厳しい見方をするようですが、経済指標で底入れ感が強まると全体としては売り叩き難いということのようです。決算動向に敏感に反応してもあくまでも個別企業の問題と言うことで、全体としては底入れ感が出ているということなのでしょう。FRB(連邦準備理事会)や政府頼みと言うことなのでしょうが、そうこうするうちに経済指標も好転するものが散見され、企業サイドは厳しい慎重な見方をしていても、ますます底入れ感が強まって来るものと思います。

 個別には前日の引け後に決算を発表したインテルが売られ、連れて投資判断の引き上げがあったにもかかわらず、アドバンストマイクロデバイスやアプライドマテリアルなど半導体関連銘柄が総じて軟調となりました。UBSが赤字決算を発表し、JPモルガンチェースなど米金融株も売り先行で始まったのですが、結局最後は買戻しなどもあり、総じて堅調となりました。一部のブランドの買収に投資家グループが関心を示していると報じられたGM(ゼネラルモーターズ)も堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は目先的な過熱感が強かったことに加え、米国株安や円高を嫌気する動きで大幅下落となりました。ここまで相場を牽引したハイテク銘柄など輸出関連銘柄が売られ、相対的な出遅れ感、割安感のあった内需関連銘柄などのディフェンシブ銘柄や円高メリット銘柄を物色する動きになりました。相変わらず低位株が値動きの良さだけで物色され、騰落レシオは引き続き高水準となっており、指数は軟調なのですが過熱感が強いというちぐはぐな動きとなっています。

 米国市場が堅調となったことや為替も落ち着いたこと、また前日までの下落の反動もあって買い先行となりそうです。輸出関連銘柄の買い戻しから始まった戻り相場も幕間つなぎの低位株の物色、出遅れ感のあるディフェンシブ銘柄の物色と物色対象の広がりも見られ、うまく資金が回転しつつあるのではないかと思います。市場参加者にも広がりが見られれば節目と見られる9300円から500円を抜けるような展開になるものと思います。本日は昨日大きく売られた輸出関連銘柄のリバウンドとまだ出遅れ感が強いディフェンシブ銘柄共に物色される動きとなるのかどうかが注目されます。

 日経平均は8600円台まで突っ込みましたが、8800円水準の節目を意識した動きとなっています。本日もしっかりと8800円を抜けて来るようであれば、今後決算動向などを受けて下がる局面でも8000円台は何とかキープできるとの認識なって来るのではないかと思います。まだまだ9000円を一気に抜けて節目を目指すということでもなく、8000円台前半から9000円台前半の範囲での動きと言うことなのでしょうが、こうした局面で徐々に下値を固める動きになるのかもしれません。

本日の注目点

◇3月の米住宅着工件数

◇2月のユーロ圏鉱工業生産

◇1−3月の中国GDP(予定)

◇決算・2月期:アデランスHD(8170)

◇決算・1−3月期:米JPモルガン・チェース、グーグル、フィンランド・ノキア

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