目先的に過熱感が強いなかで、米国株安や円高を嫌気して大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年04月15日 16時16分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株が大幅下落、為替も円高となったことから売り先行となり、一時大幅下落となりました。最後は目先筋の買戻しなどもあり、底堅さも見られましたが目先的な過熱感もあり、戻りきらず軟調な引けとなりました。ここまで先駆したハイテク銘柄など輸出関連銘柄が大幅下落となり逆に出遅れ感、割安感が強かった内需関連銘柄、ディフェンシブ銘柄が買われ、指数の下支えとなりました。物色銘柄が循環していることで底入れ感が出ているということになるのでしょう。

 相場とは直接関係ない話なのですがメール配信ソフトを選定する際、ある業者が「携帯電話向けは受け取る側に迷惑がかかるので、朝9時までは送れません」と言っていました。こちらが、「寄り付き前に送らなければ意味がないので変えてください」と言っても「出来ない」と言うことで、お引取りを願いました。ビジネスだけではなく投資の世界でもそうなのですが、自分の勝手な思い込みで決めてしまうと大きな間違いとなることが良くあります。

 今回の例は非常にわかり易いと思いますが、株式投資をする中でも、円高は株が安いとか、アジア株が高いと・・・、などと自分の判断基準だけで相場を語ることも良くあることなのです。「チャート分析」、チャートの見方などでも「教科書にはそうは書いていない」などと言って人の言うことがあたかも間違いのように言うこともあります。

 みなそれぞれ、チャートには見方があり、一つの見方として述べているだけですし、まだ円高でメリットのある企業もたくさんあるのです。日経平均が高いからと言って高くならなければならないこともなく、内需銘柄だから、ディフェンシブ銘柄だから上がらない、などと決め付けるのもよくないことなのです。ビジネスにしても相場にしても思い込みだけで判断するのではなく、いろいろな人や相場、企業の立場に立って柔軟な見方をすることが必要なのではないでしょうか。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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