予想を下回る小売売上高や大統領の慎重な見通しを嫌気して大幅下落清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年04月15日 08時35分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>7920.18▼137.63

<NASDAQ>1625.72▼27.59

<為替:NY終値>98.93-98.99

予想を下回る小売売上高や大統領の慎重な見通しを嫌気して大幅下落

 朝方発表になった3月小売売上高が予想を大きく下回ったことや前日の急騰の反動から金融株の一角が売られたことから売り先行となりました。いったんはダウ平均が8000ドルを下回るようなところで底堅さも見られ、戻り歩調となる場面もあったのですが、オバマ大統領が景気の見通しに対し慎重な見方を示した演説草稿が伝えられると再び売り直され大幅下落となりました。景気悪化が減速している兆候があるとのFRB(連邦準備理事会)議長の講演内容が伝えられましたがここのところの戻り相場のなかでは織り込み済みということで反応は鈍く、手仕舞い売りや見切り売りに押される展開となりました。

 決算発表が本格化する中で、決算動向を見極めたいと言う向きも多く、買い手控え気分も強いようです。景気の底入れ期待も強まってはいるのですが、企業業績動向や経済指標などで景気回復の兆候を確認したいということなのでしょう。景気回復の兆候が見られないからといって、金融不安や信用収縮懸念が薄れているので、下値をむきになって売り叩くような動きにはなり難いのでしょうが少なくとも買い手は慎重にならざるを得ないということのようです。決算動向に一喜一憂する動きはまだこれからと言うことなのです。

 個別には決算発表を控えたインテルは堅調となりましたが、引け後の決算発表で一株利益は予想を上回ったものの粗利益率が予想を下回ったことなどから時間外取引では売られています。朝方予想を上回る決算を発表したジョンソンアンドジョンソンは堅調となりました。JPモルガンチェースやゴールドマンサックスなど金融株が前日の反動もあって軒並み軟調、メーシーズやウォルマートなど小売株も全面安となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は為替が円高に振れたことや目先的な過熱感が強まっていたことなどから軟調となりました。持高調整の売り買いがかさむなかで目先筋中心となっており、日中は方向感に乏しい展開となっていました。これまで買戻しなどから堅調な動きとなっていた輸出関連銘柄が売られ、大きく売られていた通信株や電鉄株などディフェンシブ銘柄の一角が堅調となりました。

 米国市場が大幅下落、為替も円高と言うことで日本市場も軟調な展開となりそうです。日経平均も9000円水準を抜け切れずにい上値の重さが確認されただけに輸出関連銘柄などから売りが先行しそうです。ただ、既に上値の重さを確認して売りがかさんでいたこともあり、大きく下げる場面では買戻しなどから底堅さも見られるものと思います。戻り相場もいったんは調整となりそうですが、出遅れ感が強かったディフェンシブ銘柄などは底堅い動きとなって来るのではないかと思います。

 日経平均は昨日と同様にまずは8800円を割り込む場面で買いが入るかどうかと言うところです。ただ、その節目水準を割り込んで始まると今度は8800円が戻りの目処ということになりそうで、いったんは8500円から600円程度まで下落となる可能性もありそうです。さすがに8300円水準の節目まで一気に下げることはないものと思いますが、目先的な過熱感も強く売りが優勢な展開は少し続きそうです。逆に、米国株の下落は織り込み済みということになれば、8800円を割り込んだところで、底堅さが確認され、目先筋の買戻しを急ぐ動きも出て来るのでしょう。

本日の注目点

◇2月の鉱工業生産指数確報(経産省)

◇米地区連銀経済報告(ベージュブック)

◇3月の米消費者物価指数

◇3月の米鉱工業生産

◇決算・2月期:ドトール・日レスHD(3087)、良品計画(7453)

◇決算・3月期:安川電機(6506)

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