目先的な過熱感が強いなかで持高調整の売りもあって軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年04月14日 16時24分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株はまちまちでしたが、目先的な過熱感も強く、見切り売りや改めて売り直す動きなどもあり、大幅下落となりました。下がっても何をしても買い手が現れず売り易い相場であるだけに買戻しが入ると一気に上昇となるのでしょうが、目先的な過熱感が強いところでは売りが優勢となってしまうようです。明日につながるような動きでもなく、底堅い雰囲気もあるのですが、改めて上値の重さを確認することになったような感じです。

 2003年の4月に安値をつけたときも今とちょうど同じように疑心暗鬼のなかで買戻し、特に銀行株を安心して空売りしていた向きの買戻しから大きな上昇になったと記憶しています。かつてバブル崩壊後、いったん底入れとなった1992年や1995年の底値のところでも先物の売りがかなり積み上がったところで最初は買戻し主体で大きな上昇となったものと記憶しています。

 同様に2005年の夏からの相場も「優勢解散のおかげ」といわれていますが、実のところはオプションのヘッジのために買いあがられた先物のおかげで買戻しを急ぐ動きとなり、節目と見られた12000円を抜けて一気に上昇になったのです。今回もちょうどこうした事態と同じような展開になっており、本日のようなところでも押し目で買い戻す動きと戻りもこれまでとして売り急ぐ動きが交錯しているような気がします。

 ここまでこれだけ売り易い相場であっただけに空売りも積みあがっており、売り方が慌てて買い戻すようなところがまだ何度かあるのではないかと思います。ハイテク銘柄や自動車株だけではなく、安心して売り続けていたディフェンシブ銘柄などに買い戻しが入りだすと一気に買い上がられる場面もあるのかもしれません。売り方にしても買い方にしても安心しきったところで反対に持って行かれることはよくあることなのです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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