目先的な過熱感が強いなかで持高調整の売りもあって軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年04月14日 16時24分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 8842.68円 ▼81.75 円
売買高 27億2854万株
日経平均先物 8850円 ▼40円
売買代金 1兆5661億円
TOPIX 843.42 ▼5.55
値上がり銘柄 591銘柄
東証マザーズ指数 314.45 ▼1.32
値下がり銘柄 975銘柄
日経ジャスダック平均 1031.04円 △1.08円
変わらず 130銘柄
騰落レシオ 130.29 % △1.37%

日経平均

目先的な過熱感が強いなかで持高調整の売りもあって軟調

 連休明けの米国市場はまちまちの展開となりましたが、銀行株が買われたことなどから、日本市場も銀行株を中心に買い先行となりました。ただ、為替が円高に振れたことや外国人売買動向(市場筋推計、外資系11ベース)が大幅売り越しと伝えられたことや米国で自動車株が売られていたこと、また、目先的な過熱感も強かったことなどから、一転売りが優勢となり、大幅下落となりました。日経平均8800円の節目を割り込むと買戻しなどもあり底堅さは見られるのですが、売りそびれたと見る向きの慌てた売りや持高調整の売りもあって大幅下落となりました。

 後場に入ると前場引け際の戻り歩調の地合い受けて戻りを試す動きから始まりました。それでも自動車株やハイテク銘柄への売りが止まらず上値を押さえると見切り売りなども加わり再度下値を試す動きもありました。日経平均が8800円の節目を割り込むようなところでは前場同様に押し目買いや買戻しもあるのですが、上値を買い上がるほどの力はなく、為替も円高が進んだこともあって戻りの鈍い、上値の重い展開となりました。いったん上値の重さ、戻りの鈍さを確認すると慌てて売り急ぐ動きどもあり、結局大幅下落の引けとなりました。

 小型銘柄も軟調なものが多くなりましたが、空売りが入り難い分底堅く堅調となりました。東証マザーズ指数は軟調となりましたが、二部株指数や日経ジャスダック平均は横ばいとなり底堅さも見られました。先物もまとまった売りが朝方は断続的にあり、指数を下押す要因となり、後場もヘッジ売りと見られるまとまった売りもあって、上値を押さえる要因となっていました。

 買戻しが中心と見られた戻り相場であっただけに特に材料が出たわけでないにも関わらず売り直す動きで大幅下落となりました。目先的な過熱感も強かったことで、輸出関連銘柄を中心にここのところ大きく上昇していたものが売り直しや見切り売りに押され、これまで業績が底堅いことから空売り、つなぎ売りに対象となっていたような内需銘柄を中心とした、売られすぎたものが買戻しや買い直しで堅調となるといった展開でした。売買高が膨らんだ割りに、市場参加者も増えず盛り上がりに欠ける展開となりました。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 RSIには上値余地があるのですが、ストキャスティックスは高値圏からの調整となっており、また上値も昨年10月の、11月の戻り高値、今年1月の戻り高値をむすんだ線(上の赤い点線)に上値を押さえられており、強含み、底堅いながらも過熱感を調整するような押し目を確かめる動きとなって来るのではないかと思います。

TOPIX

NYダウ

 高値圏でのもみ合いとなっています。ストキャスティックスは高値圏にあるのですが、RSIはまだ上値余地もあり、底堅さは見られるのでしょうが、同時に上値の重さも見られるものと思います。目先的な過熱感が冷めるまで強含みながらも上値の重い動きが続くものと思います。

円相場

NYダウ

 相変わらず高値圏でのもみ合いとなっています。引き続き昨年10月のもみ合い水準にあるのですが、RSIには上値余地があり、ストキャスティックスは高値圏からの調整を示唆しており、いったんは押し目を確かめる動きになるのか、上値を試す動きとなるのか、いずれにしても大きなトレンドはもう少し後にならないと出てこないのでしょう。

銘柄ピックアップ

買戻し一巡から輸出関連銘柄が売られる

住友金属(5405) 225 ▼2

 インドで高炉からの一貫製鉄所を合弁で建設する方向で検討に入ったと報じられ寄り付きこそ好感した買いが入り堅調となりましたが、買いが続かず、戻り売りや見切り売りに押されて軟調となりました。

エーザイ(4523) 2980 △65

 主力薬の販売が日米で好調、日本で薬価引き下げがないことも寄与し、今期業績が順調な伸びとなると報じられ、ディフェンシブ銘柄への空売りがかさんでいたこともあり、買戻しを交えながら堅調となりました。

住友不動産(8830) 1265 ▼75

 前日の引け後に保有株の評価損が膨らんだことで2009年3月期の連結純利益が従来予想を下回ったことを嫌気して4日ぶりの下落となりました。買戻し一巡感があったところで目先的な過熱感も強かったことから利食い売りや戻り売りがかさみ下げ幅を広げました。

ホギメディカル(3593) 5190 △280

 前日に発表した2010年3月期の連結決算が増収増益となりそうとの予想を示し、前期は株式評価損で減益となったのですが、大幅高となりました。上方修正余地もあると見られることから買い進まれたものと思います。

イオン( 8267) 736 ▼ 37

 コンビニ型スーパーの他店舗展開を発表しましたがコンビニエンスストアの先行きが必ずしも芳しいものでもないとの見方やまた、朝方米衣料販売関連会社に対し融資枠を設定したことなどを嫌気する動きから、本日の決算発表を前に手仕舞い売りがかさんで大幅下落となりました。

三菱商事(8058) 1607 ±0

 買戻し一巡感から一時大幅下落となるなど売りが先行となりました。決して割高感があるわけではないのですが、目先筋の買いが一巡した後は積極的に買い上がる動きに乏しく、上値が重くなり、売りを誘ったものと思われます。

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