米国株高や予想を上回る機械受注、追加経済対策の効果を好感して大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年04月09日 16時13分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 8916.06円 △321.05円
売買高 26億0258万株
日経平均先物 8930円 △350円
売買代金 1兆5707億円
TOPIX 841.81 △26.55
値上がり銘柄 1403銘柄
東証マザーズ指数 319.04 △6.57
値下がり銘柄 244銘柄
日経ジャスダック平均 1024.57円 △2.71円
変わらず 56銘柄
騰落レシオ 126.06% △2.19%

日経平均

米国株高や予想を上回る機械受注、追加経済対策の効果を好感して大幅高

 米国株が堅調となったことに加え、昨日の大幅下落の反動、そして寄り付き前に発表になった機械受注が予想を上回り、8ヶ月ぶりに前月に比べプラスとなったことを好感して買い先行となりました。買い気配から始まるものが多く寄り付きの買いが一巡した後も買戻しを急ぐ動きなどもあり、大幅高、堅調な地合いが続きました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系11社ベース)が売り越しと伝えられたこともあり、節目と見られる日経平均8800円水準でいったん上値を押さえられる場面もありましたが、売り急がなければならない材料もなく大幅高でのもみ合いとなりました。

 後場に入ると寄り付きから暫くは堅調な地合いが続きながらも上値の重い展開が続きましたが、底堅さが確認されて先物にまとまった買いが入ると一段高となりました。その後もオプションSQ(特別清算指数)算出に対する思惑などもあって、断続的にまとまった買いも見られ高値圏でのもみ合いが続きました。新たな買い手が現れ、上値を積極的に買い上がるというような雰囲気でもなく、まだまだ買戻しが主体と言う感じですが最後まで堅調な地合いは続き高値圏での引けとなりました。

 小型銘柄も堅調なものが多く見られましたが、指数の上値は重く、主力銘柄ほどの上昇となりませんでした。空売りが積み上がっていないことで買い手も限定されたものと思います。東証マザーズ指数は大幅高となりましたが、二部株指数や日経ジャスダック平均は堅調と言うに止まりました。先物は朝方買戻しを急ぐ動きが見られた後はおとなしい動きでしたが後場に入ってからは断続的にまとまった買いも見られ、指数を押し上げる要因となっていました。最後はおぷしょんSQの思惑から乱高下となりました。

 機械受注統計でもはっきりしたようにこの1から3月期に「思ったほど悪くない」ものも多いのではないかと思います。もちろん、決算発表を控えて下方修正をするものも散見されるのですが、まだまだ「予想の範囲内」と言う水準で昨年10月−12月期から一段と大きく落ち込んでいるものも案外少ないのかもしれません。まだ節目となっている9300円から500円水準を抜けないことには底入れ確認とは行きませんが、一目均衡表での「三役好転」で底入れ確認と言ってもいいのかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 「かぶせの打ち返し」のように遅行線が雲を意識して日々線が転換線にサポートされるように大きく反発となりました。昨日、一昨日の高値を一気に抜けてきたことで上値を試す動きを確認することになったようです。ただ、相変わらずストキャスティックスは高念権にあり、RSIは上値余地があるものの下落基調にあることからいったん上値の重さが見られるとまた下値を試すことになりそうです。

TOPIX

NYダウ

 雲にサポートされるように反発となりました。戻り歩調が確認されたと見てもいいのかもしれませんが、3月末の高値や一昨日の高値を抜け切れていないことから遅行線が雲の上限に上値を押さえられてもみ合いが続くことになるのかもしれません。ストキャスティックスは高値圏にあり、RSIも上値余地はあるものの下落基調にあり、過熱感が冷めるまでもみ合いが続きそうです。

円相場

NYダウ

 押し目を確認しているような格好です。100円前後から102円水準、昨年10月の水準でのもみ合いとなりそうです。RSIには上値余地もあり、強含みの動きが続くのでしょうが、ストキャスティックスは高値圏からの調整を示唆しており、上値の重い展開でもみ合いとなるものと思います。

銘柄ピックアップ

昨日とは反対の展開でほぼ全面高

大林組(1802) 499 △6

 前場引け後に2009年3月期連結純利益が円安効果で予想ほど減少せず、上方修正となったことを好感して最後は目先筋の手仕舞い売りに上値を押さえられたものの一時大幅高となりました。

レナウン(3606) 131 ▼6

 前日の引け後に2009年2月期の連結最終損益の下方修正を発表、採算の悪化、販売減、資産の評価損などが膨らみ赤字幅が大幅に増加、嫌気した売りに押され大幅下落となりました。

GSユアサ(6674) 579 △44

 ハイブリッド車向け次世代電池を量産すると新聞で報道され、自動車向け電池事業の拡大が期待され大幅高となりました。

住友林業(1911) 721 △32

 追加経済対策の中で、住宅取得のための資金の贈与税免税を受けて、住宅需要が高まるとの思惑から大幅高となりました。

東京電力(9501) 2440 ▼20

 昨日指数が大幅下落となるなかで逆行高となっていたことの反動に加え、外資系証券の投資判断の引き下げなどもあり、軟調となりました。ディフェンシブ銘柄から景気敏感銘柄に乗り換える動きもあったものと思われます。

日立電線(5812) 254 △12

 機械受注が予想を上回り相場の地合いが好転していることや低位株を物色する動きも出ていることに加え、ハイブリッド車向けワイヤーハーネスを開発したことを囃し、4日続伸大幅高となって年初来高値更新となりました。

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