コラム
» 2009年04月09日 07時00分 UPDATE

山崎元の時事日想:ヘッドハンターには会うべし。しかし注意点も忘れずに (1/2)

ヘッドハンターから「あなたに会いたい」と連絡があった場合、どのように対応すればいいのだろうか? 筆者の山崎氏は「会いたくない理由がなければ、会ってみる方がよいことが多い」という。今回はヘッドハンターと付き合うメリットや注意点などについて紹介しよう。

[山崎元,Business Media 誠]

著者プロフィール:山崎元

経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員、1958年生まれ。東京大学経済学部卒業後、三菱商事入社。以後、12回の転職(野村投信、住友生命、住友信託、シュローダー投信、バーラ、メリルリンチ証券、パリバ証券、山一證券、DKA、UFJ総研)を経験。2005年から楽天証券経済研究所客員研究員。ファンドマネジャー、コンサルタントなどの経験を踏まえた資産運用分野が専門。雑誌やWebサイトで多数連載を執筆し、テレビのコメンテーターとしても活躍。主な著書に『会社は2年で辞めていい』(幻冬舎)、『「投資バカ」につける薬』(講談社)、『超簡単 お金の運用術』(朝日新書)など多数。ブログ:「王様の耳はロバの耳!


 ビジネスパーソンの読者なら、会社かあるいは自宅でヘッドハンターからの電話を受けたことがあるかもしれない。電話のパターンはさまざまで、単に社名と名前だけを言うこともあるし、「いわゆるヘッドハンター(のような仕事をしている者)です」と説明することもある。「ある会社がカクカクのポジションの人材を探しているのだが、ご興味はありませんか」と用件から入ることもあるだろう。こうした電話に対しては、どう対応したらいいのだろうか。

 自分の仕事にもよるが、よほど会いたくない理由があるのでなければ、会ってみる方がよいことが多いと筆者は思う。「今は、転職に興味がないから会わない」と切り捨てるばかりでは、少々もったいない。恐らくは、自分の仕事に近い仕事ないし業界が関係しているのだろうから、業界の事情や他社の動向が分かるかもしれないし、何よりも第三者から見た自分の人材価値を知る手掛かりになる可能性がある。会ってみたが時間のムダだった、ということもあり得るが、心掛け次第では有意義な(かなり効率の良い)情報収集になる。

ヘッドハンターとの接し方・付き合い方

 ただし、相手が何者でどのような案件と意図を持っているのか、ということが分かるまで、自分の履歴書は渡さない方がいい。

 履歴書を渡すと、会社名や個人名を隠した書類に打ち直してある場合が多いが、あちこちの会社に自分のデータがばらまかれる可能性がある。筆者も、外資系の証券会社に勤めていたときに、別の外資の友人から「山崎さんの履歴書らしいものが出回っていますよ。山崎さんの場合、転職回数が多いから、すぐ分かりますね。注意した方がいいですよ」と教えてもらったことがある。

 また、ごくまれな例だが、会社や上司がヘッドハンターを使って部下の考えていることを調査する場合がある。最近では、部下を転職するようにし向ける手段として人材紹介会社が使われることもある。

 初めて会ったヘッドハンターに対しては、「自分のチャンスには関心があるが、現在、ただちに会社を辞めたいと思っているわけではない」というくらいの建前を胸に入れて話をするといいだろう。特に、現在の会社の詳しい内情や、職場に対する不満は話題にしない方がいい(自分がどんな仕事をしていて、何ができるというくらいのことは話しても構わない)。相手の会社の様子、さらに先方の用件(より正確には、先方が持っている「案件」)を知ってから、徐々に自分の情報を渡すべきだ。

 また履歴書を渡す際には、これを第三者に渡す場合には必ず事前に承諾を取るように要求しておきたい。自分で直接コンタクトできる相手先にはヘッドハンターを介在させない方がスムーズな場合が多いし(もちろん採用時に相手の会社が払う手数料も軽減される)、自分の履歴書が出回ると不都合な会社がある場合も考えなければならない。この点の要求に対して明確な約束をしない業者は使わない方がいい。

基本はギブ・アンド・テイク

 一般論として、ヘッドハンターを使うことの長所は、お金の交渉がやりやすいことと断るときが楽なことだろう。短所は、情報伝達が不正確になる場合が多いことと、採用する側で手数料が掛かることだ。

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