米国市場が連日の大幅高となったことや為替が円安に振れたことに加え、外国人売買動向も大幅買い越しと伝えられたことから買い先行となりました。ただ、米国での重要な経済指標の発表を控えた週末と言うことや新年度入りしてからの急騰、また、1ドル=100円をつけたことからの達成感もあって上値の重い展開となりました。一時軟調となる場面もあり、結局は節目と見られる8800円に上値を抑えられる結果となってしまいました。
下げ相場になれてしまうとこうした急騰が「異常」な事態とされてしまうようです。何かしらにつけ悪材料を探しては売り急ぐという傾向にあるものと思います。本当に「強い」相場であれば、そうした売り方が出たところからは空売りを踏み上げるような強烈な上昇となるのですが、今回の戻り相場では売買高が膨らんでもなかなか腰の据わった買いがないのか、物色対象も広がりません。
市場参加者が相変わらず少ないということが「内需株は売り」となると特に材料もないのに売られ、売りが売りを呼ぶ格好となってしまうようです。期末の持高調整の動きが一巡すれば少しは落ち着いた腰の据わった動きも見られるかと期待されましたが、とてもそんな雰囲気ではなく、相変わらず目先の需給に振り回されるだけの相場と言う感じです。
ただ、逆に言えば目先の需給についていけない人は、景気底入れを期待するのであれば景気回復でメリットの出る銘柄に「逆張り」で臨めば良いということになります。投資スタイルが目先の売買なのか、中長期のスタンスで見るかと言う問題なのですが、今のように目先の売買ばかりが目立つときこそ、案外、中長期投資家にとっては戻り売りのタイミングを測るというよりは安いところで買えるチャンスなのかもしれません。
慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤」
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