G20での経済対策の合意や経済指標での底入れ感が高まり大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年04月03日 08時41分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>7978.08△216.48

<NASDAQ>1602.63△51.03

<為替:NY終値>99.45-99.51

G20での経済対策の合意や経済指標での底入れ感が高まり大幅高

 この日も前日のISMなどの指標に続き製造業新規受注が7ヶ月ぶりに増加と発表されたことやG20(20カ国・地域首脳会合)で1兆ドル規模の経済対策で合意したこと、また、時価会計規則の緩和などを好感して朝から堅調な展開となりました。一時ダウ平均は8000ドルを超えるなど景気後退懸念や金融不安が払拭、景気回復も期待出来るとして買い戻しを急ぐ動きなどもあり、ほぼ全面高といった展開でした。さすがに週末の雇用統計の発表を控えて引け際には目先筋の利食い売りなどもかさみ、上げ幅を縮小しましたが連日の大幅上昇となりました。

 景気悪化に歯止めがかかったことを確認するような指標が相次いでいることや欧州でも利下げ幅が予想を下回る、つまり、景気の底割れ感が薄れているという見方もあり、買い気も旺盛となったようです。原油価格も堅調な展開を続け、世界的な景気回復の兆しが見えている感じです。信用収縮懸念、金融不安、などが薄れているところで、デフレ懸念も景気の更なる悪化の懸念も薄れてきており、株価の底入れ感もかなり強まっているものとも思います。まだ、経済対策の効果や雇用問題などもあり、諸手を挙げて景気回復を囃すというよりは、一喜一憂しながら回復となるのでしょうが、センチメントは明らかに変化しているものと思います。

 個別には時価会計原則の緩和を好感してシティグループやバンクオブアメリカなど金融株が高く、景気敏感銘柄のキャタピラーは大型株にもかかわらず大幅高と、IBMも大幅高で昨年10月以降始めて100ドルの大台を超える水準での取引となりました。子字音消費関連でもティファニーやウォルトディズニーが大幅高、ウォルマートも堅調となりました。ダウ平均採用銘柄ではジョンソンアンドジョンソンやファイザーが利益確定売りやディフェンシブ銘柄と言うことで他の銘柄への乗り換え売りで軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高や自動車販売の底入れ、また、景況感の好転などもあって大幅高となりました。為替は落ち着いた動きとなっていたのですが、海外子会社の配当課税撤廃で収益上ブレが期待出来ると新聞で報じられたこともあり、トヨタ(7203)など自動車株やハイテク銘柄などを中心に買われ大幅高となりました。新年度入りで新規資金の流入期待もあり、また、指数も節目を抜けたことで買い方の回転も効いて大幅高となったものと思われます。

 引き続き米国市場が大幅高となったことや為替が円安に振れたことから、本日の日本市場も週末の手仕舞い売りをこなして堅調な展開が期待されます。目先的な過熱感が強いことや週末の米雇用統計などを気にして早めに手仕舞いの動きが出て来るのかもしれませんが、景気や相場の底入れ感が強く、売り急ぐような動きは少ないのではないかと思います。ハイテク銘柄や自動車株などが引き続き買い戻しも交えて堅調となりそうですし、出遅れ感の強いディフェンシブ銘柄などに新規の資金が向かうのかどうかも注目されます。物色対象が広がってくれば買い方の回転がますます効いて底入れ感が強まるものと思います。

 節目と見られる8800円水準を抜けてくれば心理的な節目となる9000円、そして1月高値の9300円水準がとりあえずは上値目処となりそうです。ここまで急激な戻りであるだけに週末と言うこともあって上値も重くなるのかもしれませんが、8800円水準を上回って引けるようであれば底入れ感がかなり強まるものと思います。週末の手仕舞い売りなどをこなして大きく上昇しそうな勢いですが、ニューヨークダウ平均と同じように、いったん9000円を超えて最後は達成感と週末の手仕舞い売りに押されるということになるのではないかと思います。

本日の注目点

◇2月期決算:ポイント(2685)

◇バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が講演

◇3月の米雇用統計

◇3月の米ISM非製造業景況感指数

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