景気の底堅さ、減速鈍化を好感して大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年04月02日 08時43分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>7761.60△152.68

<NASDAQ>1551.60△23.01

<為替:NY終値>98.49-98.55

景気の底堅さ、減速鈍化を好感して大幅高

 朝方発表になった雇用指標が予想を下回ったことから売り先行となりましたが、注目されていたISM製造業景気指数が3ヶ月連続で前月比で上昇、好不況の分かれ目とされる50は引き続き下回っているものの、予想を若干上回ったこともあり、素直に好感される動きとなりました。また、2月の住宅販売保留指数や3月の自動車販売も引き続き芳しくない数字なのですが、予想を上回るなど「思ったほど悪くない」経済指標の発表が相次いだことから景気底入れ期待も強まり、買戻しを急ぐ動きもあったものと思われます。景気底入れが確認されるような状況ではないのですが、景気の悪化に歯止めがかかるのであれば、売られすぎと言うことで修正となっているようです。

 景気悪化に歯止めがかかる兆しが見られていることに加え、FRB(連邦準備理事会)も国債買い入れを増やす計画を示し、長期金利が低下するなど政府、金融当局のこうした施策の効果が徐々に表れているとの見方から金融不安、信用収縮懸念、更なる景気悪化懸念が薄らいでいることで、株式市場への資金流入も期待されます。原油価格や貴金属価格など商品市況も底堅い堅調なものが多く、デフレ懸念、信用収縮懸念が薄れていることも買い安心感につながっているようです。今後も経済指標などに振らされる場面もあるのでしょうが、センチメントは最悪な状態からは脱したと見ても良いものと思います。

 個別には景気の底割れが回避されそうと言うことでキャタピラーやUSスチールなど景気敏感銘柄が高く、金融不安が薄れたことでJPモルガンチェース、シティグループ、ゴールドマンサックスなど金融株も軒並み大幅高となりました。住宅関連銘柄も高く、自動車株もフォードが高く、GM(ゼネラルモーターズ)も下げ幅を縮小するなど底堅い堅調な展開となりました。また、原油価格が上昇となったことなどからエクソンモービルなど石油関連銘柄も堅調でした。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は日銀短観の大企業製造業業況判断DIが予想を下回ったことから軟調となる場面もあったのですが、期末の換金売り一巡感や外国人が買い越しと伝えられたこと、米国株が大幅高となったことなどに加え、新年度入りで新規資金流入期待から大幅高となりました。目先筋の利食い売りに上げ幅を縮小する場面もありましたが、最後は買戻しもあって高値引けとなりました。

 米国での景気底入れ感が強まったことや為替が円安傾向にあることから日本市場は本日も堅調な展開が期待されます。新年度入りで昨日同様に新規資金の流入期待もあり、買いが先行となるものと思われます。昨日発表になった日銀短観も先行きに対しては明るさも見えており、ハイテク銘柄などの輸出関連銘柄などへの物色に加え、出遅れ感が強い内需関連銘柄などへの買いも期待されるものと思われます。「思ったほど悪くない」業績動向などが取りざたされれば大きな上昇、物色対象の広がりも見られ、底入れ感が強まりってますます買戻しなどを急ぐ動きも出て来るのでしょう。

 日経平均は8200円から300円水準でなんとか下げ止まった感じです。この水準を下値に戻りを試す展開となり、上値の節目と見られる8800円水準を目指すことになりそうです。過熱感も若干薄れたことから堅調な地合いとなりそうですが、とりあえずは8500円水準をしっかりとキープするような状況になるのかどうかが注目されます。シカゴ市場(CME)の先物の終値が8615円となっていることで、本日はとりあえずその水準を目指すことになるのでしょう。

本日の注目点

◇20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)

◇2月期決算:しまむら(8227)

◇東証マザーズ上場:ソケッツ(3634)

◇欧州中央銀行定例理事会(フランクフルト)

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