実用品から趣味のモノへ――「フォト イメージング エキスポ 2009」で感じた消費の行方郷好文の“うふふ”マーケティング(1/2 ページ)

» 2009年04月02日 07時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷 好文

マーケティング・リサーチ、新規事業の企画・開発・実行、海外駐在を経て、1999年より2008年9月までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略、業務プロセス改革など多数のプロジェクトに参画。 2008年10月1日より独立。コンサルタント、エッセイストの顔に加えて、クリエイター支援事業 の『くらしクリエイティブ "utte"(うって)』事業の立ち上げに参画。3つの顔、どれが前輪なのかさえ分からぬまま、三輪車でヨチヨチし始めた。著書に「ナレッジ・ダイナミクス」(工業調査会)、「21世紀の医療経営」(薬事日報社)、「顧客視点の成長シナリオ」(ファーストプレス)など。中小企業診断士。ブログ→「マーケティング・ブレイン」


 「手作り」することは私にとって悦楽を感じる行動。東京ビッグサイトで3月26日から29日まで開催された「フォト イメージング エキスポ 2009」で、現像処理機器メーカーのノーリツ綱機がオリジナルの写真ノートや封筒を手作りするワークショップを行うと聞いて、ぜひにと参加することにした。周りには若い女性ばかりの手作りワークショップ、紅一点ならぬ“おっさん”一点で実に申しわけなかった。罪滅ぼしになるかどうか分からないが、体験レポートをお届けしよう。

制作した写真ノートや封筒

miwaさんの“オリジナル写真ノート”

 エキスポ初日である3月26日のワークショップは、フォトクラフト作家miwaさんの『暮らしをつづったオリジナル写真ノート作り』。テーマは「お気に入りの写真を持ち歩こう!」。メモ帳だけでなく、写真や封筒、インデックスシートなどの素材を束ねて1冊の自分ノートを作るのだ。

 まずは持参した写真画像5点を、ブースにあった機器で印刷してもらう。私の画像は書家クリエイターの作品画像、周りの人は子どもの写真や風景写真が多かった。ノートの素材は自分で選べるのがミソ、机の上には参加者自身で選べるパーツ素材がたくさんあった。miwaさんが「好きな色や素材を選んでください!」と言うと、みんな一斉に台に群がったため、私はハジキ飛ばされてしまった。


 作業はドイツ製のパンチで、バチンバチンと穴を開ける作業が中心。すべてに穴を開けたら、金属のリングをくるくると回してとじると、自分の写真を束ねたリングノートができあがる。センスが問われるのは、中身のレイアウト(順序)やカラーリング。1時間半ほど没頭して、あっと言う間に完成した。


井上陽子さんの“コラージュ・レターセット”

 午後に参加したワークショップは、コラージュ作家井上陽子さんの『日々の写真を織り交ぜて、素敵なレターセットを』(“おっさん”一点にも関わらず、2回も参加したのだ)。井上さんが撮影した写真画像を使ってレターセットを作る。

 市販の封筒を広げて台紙にして、写真に当てて展開図をなぞって切り抜く。そして折り目を付けてオリジナル封筒のできあがり! ポイントは個性を発揮するコラージュ。たくさんの端紙やスタンプが用意されていて、それにも参加者が群がっていた。

 見物客に写真を撮られるのも構わず、みんな真剣勝負ですごい集中力。ちなみに私の前はインド人女性、横は中国人女性と人種もコラージュ。コラージュには一家言ある私、隣の女性に出来映えを見せて「Can you do this?」と偉そうに言っちゃったり。


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