日銀短観の発表で乱高下となるも、米国株高や円安を受けて大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年04月01日 17時03分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 日銀短観や為替動向に振らされながらも結果的には新年度入りの期待や昨日の大幅下落の反動、そして米国株高を素直に反応する格好で大幅高となりました。年度が替わっても何が変わったわけでもないのですが、少なくとも持高調整の売り買いは一段落となったように思われます。また、ディーラーなども新たな気持ちで迎えることもあり、雰囲気も少し変化しているのでしょう。

 日銀短観が発表になりましたが、いつからか短観の発表も一つの「イベント」のようになっています。さすがに今は朝から日銀に取りに行くようなこともないのでしょうが、逆に(他の経済指標の発表もそうですが)誰も瞬時にその結果をすることが出来、しかも予想や見込みなども立て易く、事前の相場にある程度織り込まれているケースが多いようです。

 ただ、決算の発表などもそうなのですが、発表された直後と暫く経ってしっかりとその結果を吟味した後では動きが違うことが多く、注意が必要です。本日の日銀短観も発表とほぼ同時に円安に一気に振れましたがすぐに反対に今度は大きく円高に振れるといった状況でした。日本経済が悪いのか良いのかではなく、「悪い結果を見て為替にしても株価にしてもどのように反応するか」を見て動くということなのでしょう。

 つまり、結果で動いているのではなく、結果を見た市場の動きについて行くだけということなのでしょう。米国での経済指標の発表でも、米国経済指標が好転したからと言って日本株を買うのではなく、経済指標の好転で「米国株が買われたら」、特に「ダウ平均が上がったら」、日本株を買う、と言うようなことが多いのではないかと思います。ただ、そうした動きはあくまでも目先的な動きであり、しっかりと指標の本質を見極めて、それまでの流れが変わるのかどうかを見定めることが必要なのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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