クリエイター向け賃貸共同住宅のヒミツ大出裕之の「まちと住まいにまつわるコラム」(2/3 ページ)

» 2009年04月01日 14時20分 公開
[大出裕之,Business Media 誠]

クリエイター向けに特化してリノベーション

 Colonia/Galleria 阿佐ヶ谷クリエイターズコミューンがあるのはビルの3・4・5階。3階に1部屋、4・5階に各2部屋で計5室の賃貸スペースがある。また、4階には賃貸スペースとは別に、ギャラリースペースが配置されている。

 専有スペースは約27平方メートル〜72平方メートル、月額の賃料+管理費は12万4000円〜24万2000円。同居可かつ事務所利用可だが、ペットは不可。共用スペースは約52平方メートルで、ここの光熱費は月額料金を各住戸の専有面積で案分することになる。シンプルな物件情報だけだとこんな感じになるのだが、その中身が特殊なのだ。

専有スペースのドア。この印象深いランプは今回のリノベーションで設置された(左)、4階の専有スペース。がらんとしている。バス、トイレ、水周り、なし! でも電源多め(右)

5階の専有スペース。フローリングは無垢材。もちろんバス、トイレ、水周り無し(左)、3階の専有スペースの隣は、なんとビリヤードカフェ。仕事や打ち合わせに飽きたら、玉でも突いて気分転換も(右)

 専用スペースのラボには、トイレも風呂も流し台も無い(3階の部屋だけは流し台がある)。最初各部屋を見て、これはオフィス専用の賃貸かと誤解しそうになった。とはいえ、オフィス物件でもトイレと流し台は普通あるだろう。

 だが、トイレや水周りが遠いという点も、普通の単身向け住宅ではないということを考えればさほど不自然ではない。そう、ここは共同賃貸住宅なのだ。そのため、究極の部屋とでも言おうか、生活道具や家具、仕事道具などを純粋に好き勝手にラボ内でレイアウトできるようになっている。その代わり、共用スペースのギャラリーの使い方が肝になる。

 ギャラリーはクリエイター的な使い方が想定されている。仕事の打ち合わせ、作品を展示するスペース、パーティー会場などに使えるほか、簡単な食事を作ることもできる。もちろん普段は、住人同士のコミュニケーションの場として機能することになるだろう。

IHコンロと流し台。柱の向こう側には流し台が2つある(左)、柱の反対側の壁には、シャワー×1、物置×1、トイレ×2がそれとは分かりにくいようにきれいに並んでいる(中央)、ギャラリーのバルコニー。21時まではパーティーもできる。新宿の夜景は恐らく美しいに違いない(右)

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