「貯蓄」志向が急増……新社会人の堅実な考え方

» 2009年04月01日 12時40分 公開
[Business Media 誠]

 あなたの仕事観は? 今春社会人となる20歳以上の男女に聞いたところ「入社が決まっている会社でずっと働きたい」(55.4%)がトップであることが、キリンホールディングスのキリン食生活文化研究所の調査で分かった。

 調査を開始した2005年の結果を見ると、「入社が決まっている会社でずっと働きたい」という人は34.6%だった。昨年は米国発の金融危機をきっかけに「派遣切り」や「内定切り」など、雇用不安を感じさせるニュースが多かった。先行き不透明感が漂う中、就職を控えた学生らにとっては“生涯一企業”の考え方が広がっているようだ。

仕事観についてあてはまるものは? (出典:キリン食生活文化研究所)

 このほか「会社では是非出世したい」が43.6%で、2005年と比べ3.7ポイントの増加。「仮に転職しても自分のやりたい仕事をやりたい」は32.7%と、同15.8ポイントも減少した。

 どのくらいまで出世したいかと聞いたところ、男性は「役員クラス」(35.2%)がトップで、昨年と比べ5.5ポイントの増加。また10年後の年収を予想してもらったところ、「400万円〜500万円」が最も多かった。年収は、昨年と比べると500万円より高い年収を予想している人は減少したものの、400万円より低い年収を予想している人は増加した。

 インターネットによる調査で、全国の20歳以上の男女806人(男性290人、女性516人)が回答した。調査期間は2月23日から3月15日まで。

憧れのビジネスマンとビジネスウーマン

 新社会人は、仕事のほかにどんなことをしてみたいと考えているのだろうか? 最も多かったのは「貯蓄」(64.5%)で、昨年の50.4%から大幅に増加した。このほか「資格の取得」(61.5%)、「スキルアップを目的とした自己啓発」(60.4%)、「良い人間関係を築く」(59.5%)という結果に。「経済不安に対して、自己研さんの努力や人間関係に気を配りながら、堅実に乗り切ろうとする姿勢がうかがえた」(キリン食生活文化研究所)

仕事のほかにやってみたいこと(出典:キリン食生活文化研究所)

 また憧れのビジネスマンとビジネスウーマンを男女1人ずつ挙げてもらったところ、男性の1位は「ビル・ゲイツ(Microsoft会長)」、2位「松下幸之助(パナソニック創業者)」、3位「渡邉美樹(ワタミ会長兼CEO)」。一方、女性の1位は「勝間和代(経済評論家)」、2位「野口美佳(ピーチ・ジョン社長)」、3位「ヒラリー・クリントン(米国務長官)」だった。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.