前日の大幅下落の反動や景況感の底堅さ、投資判断の引き上げなどで大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年04月01日 08時49分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>7608.92 △ 86.90

<NASDAQ>1528.59 △ 26.79

<為替:NY終値>98.92-98.98

前日の大幅下落の反動や景況感の底堅さ、投資判断の引き上げなどで大幅高

 前日の大幅下落の反動などから堅調な始まりとなり、住宅価格指数は最低を更新し、景気指数も芳しくはなかったのですが、消費者信頼感指数が予想を下回ったものの若干改善するなど景気の底堅さを示す指標もあり、大幅高となりました。月末の持高調整の買戻しもあったものと思われますが、逆に手仕舞い売りもあり、最後は上げ幅を縮小することになりましたが、悪材料に敏感に反応することもなく、逆に好材料には敏感に反応するようにセンチメントの好転が見られます。

 特に経済指標が好転したということでもなかったのですが、自動車会社救済問題や金融機関に対する懸念が薄れ買戻しを誘ったものと思います。投資判断の引き上げにも素直に反応するところや芳しくない経済指標に過敏に反応することがないところを見ると景気の底入れ感、株価の底入れ感も出ているようです。G20に期待する動きなどは特にないのでしょうが、原油価格などもしっかりと反発するなど信用収縮懸念が強まることもなく、全体として底堅い雰囲気になっています。

 個別にはマイクロソフトが投資判断の引き上げを受けて大幅高、連れてグーグルやアップルなどハイテク銘柄が軒並み堅調となりました。英銀大手が政府の資産保護スキームに参加しないことを表明し評価されたことで金融不安が薄らぎ、JPモルガンチェースやシティグループなど金融株も総じて堅調となりました。消費者信頼感指数が改善したことを受けてウォルマートなども高く、投資判断の引き上げに素直に反応、買収対象としても意識されているということでアルコアが大幅高となりました。一時的なローン肩代わり策が発表されましたが、GM(ゼネラルモーターズ)やフォードは軟調、住宅価格指数が下げ止まらないことを嫌気してレナーやKBホームが大幅安となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株安には素直に反応することはなかったのですが、期末の持高調整などもあり乱高下のなか結局は大幅下落となりました。8000円と言う水準を何とか保ったことで金融機関なども一安心といったところなのでしょうが、まだまだ波乱含みの展開が続きそうです。ディフェンシブ銘柄ばかりではなく金融株や輸出関連銘柄にも持高調整の売り、見切り売りがかさみましたが、持高調整の売り買いも一段落となって来るのではないかと思います。

 本日から4月、新年度入りの相場となりますが、とりあえず米国市場が大幅反発となったことや昨日の日本市場も期末を意識した動きで底堅かったことなどから反発は大いに期待されるところです。日銀短観の発表が朝方あり、その動向次第では動きも変わる可能性もありますが、「悪いことはわかっている」と言うことですし、「最悪期は脱した」との見方が増えて予想(大企業製造業DIで−55:QUICK調べ)を上回れば新年度入りの期待もこめて堅調な展開となるのではないでしょうか。換金売りなどに押されていた内需株の一角などに底堅さが見られるかまた、円安を好感して輸出株に買いが入るかどうかが注目されます。

 日経平均が8000円を割り込まなかったことで、8200円から300円の節目を下値とするような動きになるのかどうかが注目されます。もう少し大きな目で見ると下値は7800円水準を割り込まなければ大丈夫でしょうし、上値は8800円を抜けてこないことには底入れ感も出ないのでしょうが、一目均衡表で「三役好転」といったんは強気転換となったもののすぐに押されてしまったので、少なくとも8200円から300円の節目を抜けて再び「三役好転」となることが期待されます。その水準をしっかりと保つような展開になれば、底入れ感がかなり強まるものと思います。

本日の注目点

◇3月の日銀短観

◇08年度の国内新車販売実績(自販連)

◇3月の米新車販売

◇3月の米ISM製造業景況感指数

◇2月のユーロ圏失業率

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