米国株が大幅下落のなか、期末要因もあって乱高下、最後は大幅安清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年03月31日 16時22分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株は大幅下落となったのですが、寄り付きから底堅い堅調な展開となりました。追加の経済対策なども取りざたされて大幅高となる場面もあったのですが、さすがに期末と言うこともあり手仕舞い売りに押され上値も重くなりました。期末ではあるのですが、最後の最後まで持高調整のような売り買いも見られ、買戻しが入るものは高く、手仕舞い売りのあるものは安いと、業種や銘柄など関係なく目先的な需給に振らされる展開には変わりないようでしたが、最後は総じて手仕舞い売りが優勢となり、目先筋の見切り売りも加わって大幅下落となりました。

 米国離れと言うわけでもないのでしょうが、期末という要因もあって、ここのところ米国市場とは動きが違ってきています。もちろん、米国企業が儲かる=日本企業が儲かるというわけではないので、米国株が高いから高くなければならないということでもないのですが、米国発の景気後退にあえぎ、株価も暴落したことを考えるとここで米国株離れとなっている意味も考えておいた方が良いと思います。

 1つには期末要因と言うことで、日本市場が「手仕舞い」の売り買いを中心に動いていること、また、普段は売買の主流となっているディーラーなどが期末要因で持ち高を増やせず、目先的な売買が減少し、市場参加者の顔が少し変わっていることなどがあるのでしょう。何度もこのコラムで述べているのですが、「どんな相場か」を知ることが株価の動きを見るうえでまずは必要なことであり、「どんな相場か」を知るためには市場で「誰が、何をやっているのか」を知ることが必要なのです。

 そしてその「誰が何をしているのか」を知るためにチャートを見て、ニュースを探すことから始めるということなのです。「こういうニュースは目先的な売買をする人しか飛びつかない、」とかこのチャートの動きは地道に買い集めている人がいるな、などという具合に相場を見ていけばいいのです。一朝一夕にはいかないのかもしれませんが、株価がどうなるということを考えずに、ただ単に「誰が何をしている」と言うことを考えて相場を見てみるのも良いと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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