週末の米国株が大幅安、円高、買い戻し一巡感などから買い気の乏しい相場展開で大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年03月30日 19時17分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 8236.08 円 ▼390.89 円
売買高 21億9106万株
日経平均先物 8200 円 ▼430 円
売買代金 1兆4099億円
TOPIX 789.54 ▼ 34.99
値上がり銘柄 259銘柄
東証マザーズ指数 308.46 ▼ 1.59
値下がり銘柄 1358銘柄
日経ジャスダック平均 1019.41円 ▼ 2.50円
変わらず 87銘柄
騰落レシオ 118.75% ▼1.05%

日経平均

 週末の米国市場が大幅下落となったことに加え、買い気の乏しい中で買戻し一巡感から大幅下落となりました。ただ、寄り付き前に発表になった鉱工業生産指数も予定を若干下回ったものの許容範囲、為替も円高とは言っても大きくは動いておらず、外国人売買動向(市場筋推計、外資系11社ベース)も相変わらず売り越しと伝えられましたが、売り物も少なく、底堅い堅調な始まりとなりました。寄り付きから買い気配や売り気配で始まるものが散見されるなど市場参加者が少ないなかで持高調整の売り買いもさんけんれされましたが週末のヘッジ売りの買戻しもあって底堅い堅調な始まりとなったものと思います。

 寄り付きの売り買いが一巡した後は戻りの鈍さに加え、円高が進みじりじりと値を下げる展開となり、ハイテク銘柄など輸出関連銘柄に買い戻しの動きもなく下げ幅を広げる展開となりました。後場に入っても市場参加者が増えるわけでもなく、買戻しも終わり、ちょっと下がったところで慌てて買い戻すような動きもほとんどなく、ずるずると下げ幅を広げました。底堅い動きではあったのですが、ディフェンシブ銘柄の一角も手仕舞い売りに押されるものもあり、輸出関連の値がさ銘柄は円高が進む共に下げ幅を広げ、指数は大幅下落、結局最後まで買い気に乏しい展開で安値引けとなりました。

 小型銘柄も軟調なものが多く、東証マザーズ指数、二部株指数、日経ジャスダック平均と揃って軟調となりましたが、買戻しで値を上げていたわけでもないので、主力銘柄ほどの下げとはなりませんでした。先物は断続的に売りがかさみ特に引けを意識する次鑑定にはヘッジ売りなども多く、指数を下押す要因の1つとなっていたようです。先安感が強いというよりは期末の手仕舞い売りやヘッジ売りの意味もあるものと思います。

 日経平均も一目均衡表で「三役好転」(強気転換)となっていたのですが、週末に上ヒゲを引き、この日の大きな陰線、と形は「最悪」な格好となりました。再び下値を試すような動きになるのでしょうが、8200円〜300円水準も節目となっており、ここで下げ渋るかどうか、明日の期末の着地がこのあたりの水準で止まらないとまたセンチメントも下を向いてしまいそうです。最終的には7800円水準を下回らなければOKということなのですが、上値も8800円を抜けてこないことにはまだ強気も増えず、ここで何とか踏ん張って戻りを試す動きとなって欲しいものです。

 個別にはみずほFG(8411)が買戻し一巡感で買い手控え気分が強いところで、外資系証券の投資判断の引き下げも伝わり大幅下落となりました。トヨタ(7203)やホンダ(7267)といった自動車株も円高を嫌気する動きや今晩米国で自動車会社の救済策が発表されることやここまでの急反発から手仕舞いを急ぐ売りがかさんで大きな下落となり、京セラ(6971)TDK(6762)といったねがさハイテク銘柄も円高に振れたこともあって大幅下落となって指数を大きく下押す要因となりました。一方で、東京電力(9501)や東武(9001)など配当取り後の手仕舞い売りに押されていたディフェンシブ銘柄の一角は手仕舞い売り一巡感から堅調となりました。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 RSIやストキャスティックスが高値圏からの調整を示し、急激な戻り高値で「三川宵の流れ星」と言う典型的な「天井」を示す形となりました。一目均衡表でも遅行線が雲の上値に押さえられ下値に支えられ、日々線もようやく「三役好転」となったものの雲のサポートを確認するような格好となっています。明日の相場でしっかりと反発してこなければ、いったんは強気転換したものの再び押し目、つまり底堅さを確認するような日柄ばかりではなく値幅での調整も必要となって来るのかもしれません。

TOPIX

NYダウ

 雲を抜けた、「三役好転」となったと思われましたが「ダマシ」となってしまいました。RSIもストキャスティックスも高値圏からの調整を示唆しており、今度は雲の下限でサポートされるかどうか、基準線にサポートされるかどうかを確かめる動きとなりそうです。遅行線も基準線にサポートされて底堅くなることも期待されますが、いったんは値幅か日柄での調整となるのは止むを得ないことなのでしょう。

円相場

NYダウ

 円高とはなったのですが、転換線にサポートされています。RSIやストキャスティックスが落ち着くまでは転換線や基準線で下値を確認しては戻りを試すような動きが続くものと思われます。まだ大きなトレンドが示されたという段階ではなく、もみ合いの中、と見ておいて良いものと思います。

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