週末の手仕舞い売りに加え、銀行業績への懸念から大幅下落清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年03月30日 19時02分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>7,776.18 ▼ 148.38

<NASDAQ>1,545.20 ▼ 41.80

<為替:NY終値>97.86-97.92

週末の手仕舞い売りに加え、銀行業績への懸念から大幅下落

 前日の大幅高の反動や週末の手仕舞い売りに加え、銀行首脳が3月の業績が1月、2月より厳しかったと述べたことから、金融株を中心に利益確定の売りや見切り売り、戻り売りがかさみ大幅下落となりました。銀行業績の回復期待から買われていた相場であっただけに反応も大きかったようです。ただ、一時期の金融不安と言うところまではいかず、大幅下落とはなったもののパニック的な売りにつながることはありませんでした。

 まだ目先的な過熱感からの押し目を確認する動きであり、戻り歩調には変わりないものと思います。ただ、実体経済の底堅さは見られるものの、回復基調とまではいかず、ここからの一段の上昇には景気底入れ感を後押しするような経済指標の発表も必要なのかもしれません。一方で、金融機関も業績について語れるということはある意味で金融不安が払拭されたとの見方も出来、少なくとも恐慌をきたすような展開にはならないのではないかと思います。原油価格や貴金属価格の上昇も一服となりましたが、デフレ懸念も薄れており、緩やかな上昇は景気回復を期待させるものになるのでしょう。

 個別には予想を上回る決算を発表したベストバイが大幅高、連れて小売り株が全般的に高く、ウォルマートも大幅高となりました。「最悪期は脱した」との雰囲気から前日に続きDRホートンやトールブラザーズなど住宅関連銘柄が大幅高となり、業績回復時には他業種に比べてアウトパフォームするとアナリストのコメントが伝えられたことでアップルやグーグル、インテルなどハイテク銘柄も軒並み堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株高などを好感して買い先行で始まり、一時大幅高となったものの、週末の手仕舞い売りや目先的な過熱感からの利益確定売り、戻り売りに押されて結局安値引け、小幅安となりました。外国人売買動向も31日ぶりに買い越しと伝えられたものの、金額ベースでは売り越しと伝えられたことや、企業業績の下振れを依然として懸念する向きも多く、見切り売りなどもかさんだものと思います。

 週末の米国市場は大幅下落となりましたが、日本市場はある程度織り込んでいたものと思われます。ただ、ADR(米預託証券)の動きなどを見ても為替が円高に振れたこともあって軟調なものが多く、目先的な過熱感もあいまって軟調な展開となるものと思われます。期末を意識した動きで売り込み難いのかもしれませんが、ディーラーなどの手も出難く、また、業績面ではっきりと回復傾向が出ているものも少ないと見られ、様子見気分から手仕舞い売りが優勢な展開となりそうです。円高となったことで輸出株なども手掛け難く、配当取りの手仕舞い売りもまだ続くものと思われ、上値も重くなって来るのでしょう。

 テクニカル的な過熱感が強いことに加え、週末に「上ヒゲ線」となったことで、いったん調整となるのかもしれません。ただ、一目均衡表では「三役好転」と言う底入れ確認の形となっており、下値も限定的となりそうです。値幅ではなく日柄的な整理で上値も重く、そして底堅いといったようなもみ合いとなり、下値を確認することになるのかもしれません。8500円から8700円、800円の水準でのもみ合いとなりそうで、8500円を割り込むような展開になれば8200円〜300円水準が下値目処となりそうです。

本日の注目点

◇2月の鉱工業生産指数速報

◇2月期決算:乃村工芸社(9716)

◇6−2月期決算:ジェイコム(2462)

◇12−2月期決算:キユーピー(2809)

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