新聞は読者のソーシャルパワーを生かせていない――Gartner調査

» 2009年03月27日 07時41分 公開
[ITmedia]

 新聞は読者の「ソーシャルパワー」を活用できていない。――Gartnerが3月25日、このような調査結果を発表した。

 Gartnerは、新聞社は部数の減少やオンライン・オフラインの売り上げ減、デジタルメディアとの競合などの課題を抱えているが、最大の支持者である読者のソーシャルな影響力を活用できていないと指摘している。

 同社の調査は2008年11〜12月に、米国、英国、イタリアのインターネットユーザー989人を対象に行われた。その結果、新聞社は自社サイト内検索を最適化していなかったり、コンテンツにソーシャル機能を統合していないなど、読者がコンテンツを発見し、共有したり、他人に勧めるためのツールを提供していないことが分かったという。

 例えば、回答者の約49%は週に1回以上GoogleやYahoo!などの一般的な検索エンジンを使ってコンテンツを探しているが、新聞や雑誌のサイトの検索機能を使っている人は20%だった。また24%の回答者は、見つけたコンテンツを電子メールやIMなどの個人的な通信手段で友人と共有しているが、SNSで頻繁にコンテンツを共有していると答えた人はわずか7%だった。

 Twitterを使っている新聞社スタッフは多いが、サイトから記事をTwitterに投稿できる機能を提供している新聞社はほとんどない。また面白いコンテンツをオンラインで見つけたときに「すぐ読む」人は52%で、「ブックマークして後で読む」人は9%だった。

 「新聞社がデジタル化で後れを取っており、未来を革新的にとらえていないとして批判するのは簡単だが、業界の失敗の中には、『自社製品のファンを最高かつ低コストのマーケティングチャネルにする』といった基本の見落としもある」(Gartner)

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