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» 2009年03月25日 22時54分 UPDATE

“携帯+YouTube+デジタルサイネージ”で創るプロモーションとは?――東芝

大型ディスプレイに映し出された対戦ゲームに、ヨドバシカメラの来店者が参加する……3月20日から3日間行われた、デジタルサイネージを使った東芝の新しいプロモーションイベントを取材した。

[吉岡綾乃,Business Media 誠]

 東芝は3月20日から22日まで、東京・秋葉原のヨドバシカメラマルチメディアAkibaで、デジタルサイネージ(電子広告媒体)と携帯電話、YouTubeを連携させたプロモーションイベントを行った。

 ヨドバシカメラマルチメディアAkibaの正面入口の上部にある大型ディスプレイに、9時半から19時半まで、毎時30分にゲームが映し出される。ゲームの内容は、最大6人の参加者がマス目を塗っていき、塗ったマス目の数を競うというもので、東芝のノートPC用キャラクター「ぱらちゃん」を使っている。

 来店者は、画面に表示された電話番号に電話をして、ゲームに参加する。音声ガイダンスに従って参加登録を行い、あとは大型ディスプレイを見ながら、携帯電話の数字ボタンを押して操作する。

 ゲームの長さは1回90秒。その前後に告知・カウントダウンで23秒、結果発表で7秒かかるので、2分(120秒)で1回のサイクルが終了する。1時間あたり9〜12回ずつゲームを行っていた。

ay_para01.jpg 正面入口の上部にゲーム画面が映し出される
ay_para03.jpgay_para04.jpg マス目を自分の色で塗っていく対戦型ゲーム(左)。ディスプレイを見ながら、自分の携帯をリモコン代わりにして操作する(右)

 ポイントは、携帯電話でもYouTubeでもゲームに参加できるというところだ。このゲームは、ヨドバシカメラのディスプレイだけでなく、東芝の特設サイトでYouTube動画としても公開されている。ディスプレイを見ている来店者は携帯電話で(最大4人)、特設サイトにアクセスしている人はPCでゲームに参加して、同時に対戦できる仕掛けになっている。このほか、PC用のデスクトップガジェットからもアクセスできる。

ay_para02.jpg 東芝の特設サイトでも、ディスプレイに表示しているのと同じゲームを配信。YouTube上に動画に関連するゲームなどを埋め込む「カスタムガジェット」という機能を使っている

プロモーションとしてのポイントは?

 街角の大型ディスプレイに動画を流すというプロモーションはまったく珍しくないが、この場合、動画を見ている人がその場でゲームに参加できるという双方向性が新しい。本イベントではディスプレイ下の特設コーナー(東芝製ノートPCが並んでいる)に司会役の女性が立ち、マイクで道行く人へゲームへの参加を求めていたこともあって、ただ動画を流しているだけに比べると圧倒的に注目度は高かった。

 実際にゲームに参加した人には参加賞を配るため、賞品の引き替えのために終わったあとに自然と特設スペースに誘導できる。“そこにいる人”を巻き込んで、売り場などへ向かわせるという点では効果的な手法といえそうだ。

 しかし、どこでもできるイベントではないこともたしか。動画を流せる大型ディスプレイはたくさんあるが、ネットに常時接続しているものは少なく、さらにデータを双方向でやりとりできるものとなるとさらに少ない。また、ユーザーに立ち止まってもらうためには、例えばエスカレーターの横にあるような大型ディスプレイでは難しい。今回のようなイベントが実施可能な大型ディスプレイは、日本でも数カ所しかないという。

 また、リアルな場所で行うもののため、天候に左右されがちなのも難しい点だ。ディスプレイが見える場所は屋外なので、雨が降ったり、寒かったりするとどうしても参加者は減ってしまう。逆に良い天気でたくさん人が集まっても、1回に参加できる人数は最大4人までだ。記者が取材していたときでも、サーバが正しく処理できず、携帯電話からの参加者を受け付けられないためにYouTubeからの参加者だけのゲームの様子がディスプレイに映し出される、というシーンがあった。

ay_para05.jpgay_para06.jpg 大型ディスプレイの下に設けられた、東芝製ノートPCを並べた特設スペース(左)。ぱらちゃんの帽子をかぶった「ぱらガール」(右)

 粗品を配る、有名人を呼ぶ、といった従来のキャンペーンに比べると、時間を決めて定期的に繰り返し注目を集められる点や、参加者を自然に購買へ近いところへ誘導できる仕組みは効果が高いといえるだろう。今回は行っていなかったが、例えば参加賞を店内の東芝製品売り場にする、などとすれば店の奥へユーザーを誘導するのも容易だ。また、一度仕掛けを作ってしまえば、繰り返しプロモーションを行えるのもメリットといえる。

 新しい仕掛けだけに、実際の運用にはまだ課題はあるが、「携帯で参加するデジタルサイネージ」には可能性がありそう……そう思わせるイベントだった。

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