米音楽売り上げ、3分の1がデジタル音楽に

» 2009年03月19日 18時15分 公開
[ITmedia]

 米音楽売り上げのうち、デジタルダウンロード販売が占める割合が3分の1に達した。米調査会社NPD Groupが3月17日に報告した。

 同社の調査によると、2008年にデジタル音楽を購入したユーザーは前年から8%増えて3600万人となった。デジタル音楽売り上げは29%増加し、今や米音楽販売全体の33%を占めているという。

 一方、同年にCDを購入した人の数は前年から約1700万人減少し、CD売り上げは19%減少した。すべての年齢層でCD購入者が減っており、特に10代と50歳以上の層で顕著だという。「ダウンロード購入の増加は業界にとって良いことだが、CDを買わなくなった人が皆デジタル音楽に向かっているわけではない」とNPDのエンターテインメント業界アナリスト、ラス・クラプニク氏は指摘する。

 消費者がCDを購入しない主な理由は、不況のために娯楽への支出を減らしているためという。またCDよりデジタル音楽を好むユーザーは、その理由として、欲しい曲だけ買える点や、すぐにダウンロードして聴ける点を挙げている。

 全体では、音楽購入者は前年から1300万人減少。しかしNPDは、購入は減っているが音楽の利用は増えていると主張する。例えば、オンラインラジオ「Pandora」の認知度や利用が2倍以上に増えており、2008年第4四半期にはSNSで音楽を聴いているユーザーの割合が前年同期の15%から19%に増えたという。

 「違法コピーとデジタル音楽の登場がCDの優位を終わらせたように、新たな形の音楽利用が、音楽にお金を払うという慣習に挑み始めている。音楽業界はこのようなリスナーを取り込んで、音楽やビデオ、コンサートチケット、グッズの販売で売り上げを出せるようにもっと努力しなければならない」(クラプニク氏)

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