調査リポート
» 2009年03月05日 08時47分 UPDATE

正社員比率が上昇する13.7%――その理由は?

2009年度に正社員を採用する企業はどのくらいあるのだろうか? 業績悪化などの影響を受け、「採用予定なし」という企業は45.9%に達するなど、採用意欲は大幅に減少しているようだ。帝国データバンク調べ。

[Business Media 誠]

 2009年度(2009年4月〜2010年3月入社)に正社員を採用する企業はどのくらいあるのだろうか? 正社員の採用が「増加する」と回答した企業は11.2%だった一方、「採用予定なし」は同45.9%に達していることが、帝国データバンクの調査で明らかになった。同社が実施した過去4年の調査を見ると、2005年度が21.2%、2006年度が25.5%、2007年度が25.2%、そしてサブプライムローン問題が表面化した2008年度は30.4%に増加。2009年度は前年度より15.5ポイントも増加していることから、「企業の経営環境が急速に悪化する中で、採用意欲は大幅に低下した」(帝国データバンク)としている。

yd_koyou.jpg 正社員雇用について(出典:帝国データバンク)

 業界別で見ると「不動産」(同59.6%)や「卸売」(同52.7%)が高く、特に「不動産」は前年度より19.9ポイントも増加した。

 企業からは「現在の経済情勢下で、正社員の新規雇用はリスクが大きすぎる」(書籍・映像サービス)や「業績見通しが立たない段階での新規採用は考えられない」(鉄鋼・同加工品卸)など、業績の先行きが見えないことにより採用を抑制している声が目立った。

 2009年度の正社員比率を聞いたところ、「上昇する」という企業は13.7%、逆に「低下する」は同13.0%とほぼ同じ水準。正社員の比率が上昇すると回答した企業に、その理由を尋ねると「業績低迷による非正社員の削減」(36.5%)が最も多く、2008年度見込み(6.4%)から30.1ポイント増加した。一方「業容拡大への対応」(31.6%)と答えた企業は31.6%だったが、2008年度見込み(55.1%)より23.5ポイント減少した。

yd_koyou1.jpg 正社員比率が上昇する要因(出典:帝国データバンク)

 正社員比率が減少した背景として「業績低迷により非正社員からの削減となる」(自動車部品卸)や「稼働率の低下から非正社員を解雇せざるを得ない」(印刷)など、非正規社員を削減したため、相対的に正社員比率が上昇したという声があった。その一方で「小規模企業では労使の信頼関係のみが社運を決すると考えられるので、正社員のみ採用したい」(一般貨物自動車輸送)や「同業他社との競争に勝つためには、この状況下で人材に投資できるかが勝負になる」(配管工事付属品製造)といった、将来への布石を打っておくという企業も多かった。

 調査は2月18日から28日に行われ、全国2万451社を対象に実施し、上場企業386社を含む1万658社(52.1%)から回答を得た。

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