現役女子大生のキャバ嬢に学ぶ! プロフェッショナルなトーク術(前編)現役東大生・森田徹の今週も“かしこいフリ”(2/6 ページ)

» 2009年03月03日 07時00分 公開
[森田徹,Business Media 誠]

 そこで紹介されたのがマイちゃんである。最初は「カワイイ女の子だな」といった印象しかなかったが、話をしてみると話の聞き方がうまかったのだ。また話の展開の仕方、質問の仕方も非常に巧い。彼女は相手の顔と名前は1回で覚え、「これはつまらないだろうな」という話でもきちんと話題に乗ってきた。

 筆者が彼女の側で違う人と話していると、学生・社会人問わず彼女に寄って来て、必ずと言っていいほど自分の自慢話を始めるか、あるいは口説き始める。ひょっとしたら、自分を大きく見せたく“させられてしまう”のか、口説か“されてしまう”のかもしれない。あまりに面白いので、筆者はタイミングを見計らっては話に割って入り、時折引っかかる社会人を捕まえては、彼女と一緒に名刺を交換したものだ。

 その場は学生団体が主催していたクリスマスパーティーということもあり、学生が大半だったが、中には某大手金融機関の社員も混じっていた。その社員は会社の話を始めたのを見て、筆者は「おいおい、女子大生に仕事の話をしたってウケないだろう」と思いながら、彼女と一緒にスマイルでうなずいていた。

 そしてパーティ終了後、マイちゃんから「西麻布でキャバ嬢をやっている」と聞いて、「なるほど、これが本物のキャバ嬢なのか!」とエラく感動したものだ。

キャバクラってなに?

 実は筆者、キャバクラを利用したことはない。もちろんキャバクラのことは聞いたことがあるので、簡単にキャバクラとはどんなところなのかを紹介しておく。

 キャバクラとはキャバレーとクラブをミックスしたもので、「女性従業員と話しながらお酒を飲む」サービスを提供している。風俗店とは違い、純粋に会話と酒を楽しむのがキャバクラの特徴である。基本的には“おさわり”も禁止だから、健全といえば健全であろう。

 料金はピンからキリまでだが、マイちゃんの働いている西麻布のお店では1時間2万5000円〜3万円ほど。これに客やキャバ嬢の飲食料が加わる形態が一般的である。

 ちなみに今回の取材は合計4時間ほどだったので、お店だったら10万円近く払わなくてはいけない計算だ。実際の出費は六本木でのお酒なしの簡単な夕飯と、その後にコーヒーを飲んだ分を払ったくらいだから、筆者が彼女のために取材料として使ったのは2000円ほど。

 またキャバクラの特徴的なサービスとして、「同伴」と「アフター」がある。同伴とは出勤前のキャバ嬢と男性客が“いいお店”で食事をした後、そろって出勤するというもの。キャバ嬢の側には「同伴バック」と呼ばれるバックマージンが入る仕組みになっていることが多いようだ。

 ところで“いいお店”とはどのくらいのお金が必要なのだろうか? マイちゃんに聞いたところ「お客様の会計は見ないようにしてるから詳しくは分からないけど、2人で1万円か2万円くらいかな」ということ。さらに「アフター」は、男性客とキャバ嬢がお店の外に出て食事やカラオケなどに行って“2人の時間を楽しむ”サービス。これも彼女によると「お客様はお店というとどうしてもかしこまってしまうから“外に連れ出したい”気持ちは分かるんだけど、バック(マージン)もないから女の子としてはあまりメリットがない」というのが本音のようだ。

 これらの前提知識を頭の片隅に置いた上で、彼女のプロトークのエッセンスを紹介していこう。

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