では、藤沢さんがベンチャー企業経営者の“女房役”、現場との“パイプ役”としての諸々の業務を引き受ける場合、通常、どの程度の時間の幅で考えるのだろうか?
「私の場合は、3カ月単位で1つの仕事をコンプリートさせるようにしています。半年とか1年の単位で仕事をすると、お金を頂いているにもかかわらず、どうしても中だるみの時期ができてしまい、相手先企業に対して常に貢献している、という感覚を持てなくなるんですね。そういう意味で、3カ月単位にすることで、いつでも全力で疾走し続けることができるのです」
しかし、3カ月で終わる仕事はむしろ少なく、上記のような組織能力開発を初めとして、長期にわたらざるを得ないテーマが多いのでは?「もちろん、そうです。ですから、まず、双方で、長期の“目的”を明確にしてそれを共有化し、その上で、短期(3カ月)の“目標”を設定するようにしています」
だとすると、その3カ月が無事に終了したら直ちに、次のフェーズにシフトすることになるのだろうか。
「半々ですね。おっしゃるように、畳み掛けるようにして次のフェーズに突入していく場合もありますが、その一方ではビジネス上のタイミングの問題もあって、3カ月でいったん区切って、しばらく間を置いてから、もしまた依頼があればお手伝いするという場合もあります」
フェーズごとに契約が更新されてゆくケースが少なくない、ということは、彼は多くの企業から見て、しっかりと短期の目標を実現してくれ、長期の目的に向けて共に歩んでゆきたいと思うに足る人材だということだろう。
筆者も経営コンサルティング会社に短期間在籍したことがあるが、こうしたコンサルタントは本当に数少ない。
こうした活躍を続ける藤沢さん。仕事を依頼する立場であるベンチャー企業の経営者や、その会社で働く社員から見た場合、彼はどのような立ち位置に映るのだろうか?
「やはり、外的な変数の1つだと思いますよ。伸びる企業、あるいは成功する経営者というものは、絶妙なタイミングで出逢いに恵まれ、今まさに必要な情報なりサポートなりを得るものなんです。孫子の兵法にいう『地の利、時の利、人の利』に恵まれるんですね。私もまた、彼らからすると、そうした出会いの1つとして位置づけられていると思うんですよ」
ご自身の立場を謙遜して説明する藤沢さんだが、彼の“指導”を受けた「若きリーダーたち」の数は非常に多いと聞く。具体的に何人くらいなのだろうか?
「う〜ん、難しい質問ですね。なにしろ、私は変数の1つですから……」としばし思案に暮れた末に出した答えは「経営者が10人、大企業幹部や行政官などが10人といったところでしょうか……・」と遠慮がちに控えめな数字をおっしゃる。
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