マクドナルドは本当に「勝ち組」なのか? アヤシイ会計処理に“ひとこと”現役東大生・森田徹の今週も“かしこいフリ”(3/3 ページ)

» 2009年02月25日 13時20分 公開
[森田徹,Business Media 誠]
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株主から文句を言われない仕組み

マクドナルドのプレミアムローストコーヒー

 さていろいろと書いてきたが、株の売買を推奨するレポートに例えると、マクドナルド株への投資判断は「買い」でも「売り」でもなく「中立」といったところだろう。

 マクドナルドのような外食産業は景気に敏感で、結局は今後の景気に大きく左右される。2011年まで現状と同じような水準の景気ならば、マクドナルドは店舗売却益で水増ししている分を除けば「減益だろう」としか言い様がない。

 PER(株価がEPS〈1株当たり利益〉の何倍あるかを示す指標)も18ほどで、そのほかの指標を見ても、別に売られ過ぎとも買われ過ぎとも言えないような水準である(比較対象の企業が赤字を垂れ流しているようなご時世だから、という話でもあるが)。

 マクドナルドはもし利益が減少しても、株主から文句を言われない仕組みとなっている。つまりマクドナルドが行っている“構造改革”によって、2年間またはそれ以上の強力な“弾”を持っているからだ。

 とにもかくにも、筆者は地元マクドナルドのヘビーユーザーである(無線LANサービスにも加入してしまった)。さらにいえばプレミアムローストコーヒーも、駒場マックの成海璃子似の店員も好きである。

 だから、マクドナルドには今後も頑張っていただきたい。また今回の会計原則の考察は、友人の公認会計士候補の多大な助力の賜である。彼の“候補”の文字が今年こそ取れて、本物の公認会計士になれることを祈りながら、筆をおくことにしよう。

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