2008年の全国マンション発売戸数は9万8037戸、16年ぶりの低水準

» 2009年02月19日 17時05分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 不動産経済研究所は2月19日、2008年のマンション市場動向を発表、2008年に全国主要都市で発売された民間マンションは9万8037戸と2007年(13万3670戸)と比べ26.7%減少したことが分かった。10万戸を割り込んだのは1992年の7万5173戸以来、16年ぶりのこと。

 地域別の増減率を見ると、首都圏が28.3%減、近畿圏が24.7%減、東海・中京圏が25.0%減、北海道が37.3%減、東北地区が7.2%減、関東地区が40.7%減、北陸・山陰地区が13.3%減、中国地区が54.7%減、四国地区が18.4%増、九州地区が16.8%減。四国地区以外は大幅に減少している。

 「価格の上昇にエンドユーザーが付いてこれなくなったこと、建築基準法改正の影響で着工戸数が激減したこと、金融機関の『総量規制』によるデベロッパー・ゼネコンの倒産が相次ぎ不安感が高まったこと、世界的な不況により住宅購入を躊躇(ちゅうちょ)するエンドユーザーが増えたことによる」と不動産経済研究所は分析した。

 同研究所では、2009年のマンション発売戸数は全国で約9万6000戸と、さらに2.1%減少すると見込んでいる。「建築基準法改正の影響が継続し、大都市圏は回復基調も、地方圏はさらに減少する。郊外型低価格物件、中・小規模物件が中心になる」(同研究所)

マンション発売戸数推移(クリックで全体を表示、出典:不動産経済研究所)

 2008年のマンション平均分譲価格は、全国平均で3901万円(前年比プラス2.3%)。首都圏は4775万円(同プラス2.8%)、近畿圏は3513万円(同プラス1.0%)だった。しかし、大幅に発売戸数が落ち込んだため、全国のマンション販売総額は約3兆8240億円と、2007年の約5兆966億円に比べて25.0%減少した。

マンション価格推移(クリックで全体を表示、出典:不動産経済研究所)

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