コラム
» 2009年02月17日 07時00分 UPDATE

松田雅央の時事日想:乗り捨て自由! ドイツのユニークなレンタサイクルシステム (1/3)

自転車の利用が日本と同じくらい盛んなドイツ。レンタサイクルもよく利用されているが、ドイツ鉄道のレンタサイクルはどこで自転車を乗り捨ててもいいという画期的なシステムを採用しているのだ。

[松田雅央,Business Media 誠]

松田雅央(まつだまさひろ):ドイツ・カールスルーエ市在住ジャーナリスト。東京都立大学工学研究科大学院修了後、1995年渡独。ドイツ及びヨーロッパの環境活動やまちづくりをテーマに、執筆、講演、研究調査、視察コーディネートを行う。記事連載「EUレポート(日本経済研究所/月報)」、「環境・エネルギー先端レポート(ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社/月次ニュースレター)」、著書に「環境先進国ドイツの今」、「ドイツ・人が主役のまちづくり」など。ドイツ・ジャーナリスト協会(DJV)会員。公式サイト:「ドイツ環境情報のページ(http://www.umwelt.jp/)


 自転車がいつ、どこで発明されたかご存じだろうか。チェーンもペダルもない自転車のような木製の乗り物、いわば自転車の元祖が世界で初めて発表されたのは1817年7月、ドイツでのことだった。たまたま筆者が住んでいる街、カールスルーエのカール・フォン・ドライス男爵がその発明者である。

 この乗り物、足で地面を蹴って進むために乗り心地は良くなさそうだが、60キロメートル離れた街まで馬車と競争して勝ったというからなかなかのものだ。ただ、発明家であるドライス男爵は数々の奇抜な発想が時代の先を行き過ぎたためか、後に「狂った男爵」と揶揄(やゆ)され、故郷を追われてしまったそうだ。

ah_matu1.jpg 自転車の元祖

第3の交通手段

 発明国であることも関係してか、ドイツの自転車利用は昔も今も大変盛んだ。ドイツの自転車保有台数1台/1.2人は日本の1台/1.4人と大きく違わないが、老若男女が日常の足として、また余暇として自転車を活用しており、生活密着度はドイツの方がはるかに高い。

ah_koiusai.jpgah_hurataku.jpg 高齢者向けサイクリングツアー(左)、フランクフルトの自転車タクシー(右)

 また、自転車道の整備状況にも歴然とした差がある。国内の総道路延長に対する自転車道の割合はドイツが4.7%で日本は0.6%。ちなみに欧州でもとりわけ自転車利用の盛んなオランダはさらに高く8.6%に達している。

ah_zitesei.jpg オランダ、ドイツ、日本の自転車道整備状況(出典:国土交通省)

 ドイツに限らず欧州諸国は、自転車を公共交通や自家用車の「付け足し」ではなく、れっきとした交通手段と位置付けている。例えば、各自治体が発表する中心市街地の交通手段調査には必ず自転車の項目が含まれ、カールスルーエ市ならば公共交通47%、自家用車27%、自転車17%、徒歩8%(出典:カールスルーエ市の2001年アンケート調査)のようになる。

 自転車利用促進には都市環境の改善、交通渋滞の緩和、さらに中心市街地の活性化効果も期待され、ほぼ例外なくすべての自治体が本腰を入れているはずだ。

ah_huraziga.jpg フランクフルト市街地の自転車専用道
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