「商品が届かない……」――個人輸入代行とのトラブル、解決困難なケースも

» 2009年02月12日 16時09分 公開
[Business Media 誠]

 「円高なので個人輸入を始めよう」と考えている人も多いのでは。しかし自分の英語力が不安なので「代行業者に頼もう」という人もいるだろうが、業者と個人の間で取引に関するトラブルも耐えないようだ。

 国民生活センターに寄せられた「個人輸入代行」に関する相談件数は2005年以降、増加傾向にある。相談件数は2008年12月31日までで580件に達し、相談者の年代を見ると、30代が最も多く28.2%。次いで40代が19.3%、50代が14.1%、20代までが16.0%となっている。30代〜40代で約5割を占めており、平均年齢は44.8歳。

個人輸入代行に関する相談件数(出典:国民生活センター)

 契約金額を見ると、5万円未満が50.4%と半分を占めているが、ブランド品や自動車など100万円を超える高額商品を契約しているケースも目立った。相談が寄せられた商品は化粧品・医薬品などの「保険衛生品」が377件で断トツ。このほか健康食品や飲料といった「食料品」(87件)、カバンや洋服などの「被服品」(31件)と続いた。

契約金額(出典:国民生活センター)

 相談内容を分類したところ、「契約・解約」に関する割合が453件で最も多く、以下「販売方法」(265件)、「品質・機能」(135件)という結果に。例えば「インターネットで見つけた個人輸入代行業者に、海外の業者が販売しているマニキュア(約1万円)をメールで注文した。個人輸入代行業者に代金を振り込んだが、商品が届かない。業者の連絡先はメールアドレスのみで連絡がない」(女性30代)といった相談があった。

 また「知人から『会員になって商品を紹介すれば手数料がもらえる」と誘われ、連鎖販売取引業者の会員になった。会員になるためには、まず自分が商品を購入する必要があると言われ、毛染め剤1セット(3万6000円)を購入。使用したところ髪がパサついたので、未使用の商品を返品したいと業者に伝えた。しかし返品は受け付けられない、と言われた」(男性40代)といった被害事例も報告されている。

 国民生活センターは個人輸入代行を利用する際の注意点として「広告やカタログの表示内容をよく確認するほか、代行業者とトラブルが生じた場合、最寄りの消費生活センターに相談すること」としている。

関連キーワード

国民生活センター | 不安


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.