酒類市場の縮小止まらず、若者のアルコール離れなどで

» 2009年02月12日 15時50分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 矢野経済研究所は2月10日、2007年度の酒類(ビール、発泡酒、リキュールなど)市場規模が前年比マイナス1.3%の3兆9100億円となり、2年連続で4兆円を下回ったと発表した。また2008年度の市場規模も3兆8400億円を見込んでおり、酒類市場の低迷が浮き彫りとなった。

 アルコール飲料の消費が低迷している背景には、「『健康意識の高まりによる飲酒の抑制』、『不景気による飲酒機会の減少』、『若年層のアルコール離れ』などが挙げられる」(矢野経済研究所)

酒類総市場の市場規模推移(出典:矢野経済研究所)

 酒類市場を商品分野別に見ると、ビール市場の減少幅は小さかったものの、1996年度をピークに11年連続で縮小。業務用のビールは飲酒運転事故や景況感悪化の影響を受け低迷したが、缶ビールについては外での飲酒を控え家庭で飲む消費者が増加したことから好調に推移した。なかでもプレミアムビール分野が大きく成長しており、2007年度においてはビール市場全体の約10%を占めるまでに成長した。

 また、リキュールやスピリッツが大きく出荷量を伸ばしたのに対し、清酒やウイスキー類は減少した。「消費者の嗜好(しこう)としては、『健康志向』、『低アルコール』などが顕著になってきており、ウイスキーやブランデーといった“ハードリカー離れ”が一層進んでいる」(矢野経済研究所)と分析した。

2007年度商品分野別課税数量および前年度比によるポジショニング(出典:矢野経済研究所)

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