「夫は子育てをしたいのに仕事などの事情により、なかなか子育てに参加できない状況にある」――ということが、ベネッセ次世代育成研究所の調査で明らかになった。
調査結果によると、夫は子どもが生まれた直後から、子どもとの時間を多く持つほど、子育てへの自信が育まれるという傾向がうかがえた。また1日の就業時間が11時間未満の夫の方が、11時間以上(1日8時間勤務で、月間の残業時間が60時間ほど)の夫より、「子育てに自信がある」(11時間未満39.4%、11時間以上27.8%)と答えた割合が高かった。「子どもとの関わりが少ないため、子育てへの自信を築きにくいのではないか」(ベネッセ次世代育成研究所)と見ている。
仕事を持っている妻・夫に「子どもの病気などが原因で会社を休んだり、遅刻・早退をしたりしたことがありますか?」と聞いたところ、「毎週ある」「月に1〜2回程度ある」「2〜3カ月に1回程度ある」と答えた妻は47.8%。一方の夫は17.3%にとどまった。また「全くない」と回答した割合は、妻が24.6%、夫が45.8%という結果となった。
子育てに関することで、どんなことにイライラしているのだろうか。「子どもに遊んでとせがまれる」など12項目について聞いたところ、すべての項目で夫よりも妻の方がイライラ度は高いことが分かった。中でも「夜泣きがひどい」(妻56.5%、夫42.3%)、「住宅の間取りが悪く、家事や育児がしにくい」(妻55.7%、夫42.1%)、「自分のための時間を確保するのが難しい」(妻51.5%、夫36.8%)と、妻と夫のイライラ度に差があるようだ。
調査の結果を受け、ベネッセ次世代育成研究所では「就労時間やワークライフバランスの問題が、子育てに与える影響は大きく、政府や企業などが一丸となって、引き続き取り組んでいくべき課題」としている。
郵送による調査で、妊娠期から2歳までの子どもがいる夫婦401組が回答した。調査期間は2006年11月〜2008年6月まで。
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