東大生のノートは本当にキレイ? いや、そもそもノートを取ってない現役東大生・森田徹の今週も“かしこいフリ”(3/4 ページ)

» 2009年02月03日 07時00分 公開
[森田徹,Business Media 誠]

取材から見えてきた「効率的勉強法」

 人の勉強法はさまざまだ。もちろん、ノート作りが楽しく、シケプリを作るうちに復習が済んでしまったという学生たちも筆者は知っている。その一方でシケプリ作りに精を出したのにも関わらず、「良」や「可」しか取れない学生も1人や2人ではない。

 シケプリを作った本人よりも、そのシケプリを読んだだけで授業には全く出ていない学生の方が成績が良かったり、シケ対の担当科目よりもほかの科目の方が成績が良いという東大生もいる。

 では、東大生はどうやって勉強をしているのだろうか。友人への聞き取り調査を進めていくうちに、たくさんの勉強法に出会い、驚嘆したのだ。

 勉強法をざっくり分類して、終わりにしよう。以下で述べるのは、主に復習方法である。

聞けば・読めば分かる派

 この型に分類される彼らは、正真正銘の「天才」だ。しかし、東大ともなると、これは1人や2人ではない。だから、お手本にはならないだろう。

 筆者個人のことをいえば、好きなことだと意識して勉強したわけでもないのに、自分でも驚くほど頭に入っていることもあるが、興味のない大抵のことは何回繰り返しても忘れる。好きこそ物の上手なれ、とはよく言ったものだ。

 実際、勉強だけに限らず、その内容を好きになって驚くほど効率が上がったという人もいるだろう。筆者の場合、高校生のときにはイタリアの首都も分からず地理が大の苦手だった。しかし欧州マーケットが「次の火種となるのではないか」と噂される昨今においては、ほぼ完璧に欧州の国や主要都市のほか、主要企業などを覚えている。とはいえ、これは勉強法ではないだろう。

繰り返し聞く派

 先ほどのボイスレコーダーの件もあったが、一度録音されたものを1.5倍速や2倍速で繰り返し聞くというのはよく聞く勉強法だ。取材中、法学部を主席卒業したある学生も、この方法を取っていたという話を聞いた。

 ロースクールや公認会計士などの専門学校に通っている学生も多いが、こうした学校の多くのDVDデッキは1.5倍速に設定されている。

色ペンチェック派

 本を読むとき鉛筆で線を引いていくという読書法。色ペンでテキストやレジュメを塗っていくこの方法は、よく目にする。

 もちろん、場合によっては下敷きで塗った部分を隠す。穴埋め型のテスト形式だと必須の勉強法である。

らくがき帳派

 筆者の勉強法もこれに分類される。きちんとした教科書なりシケプリなりを調達してきて、読みながら重要そうなキーワードや概念だけイメージに残りやすいように書き出している。

 筆者自身は無印良品の「らくがき帳」を愛用していて、最初にアイティメディアに行ったときには笑われたものだ。しかし、すぐ捨てられるような裏紙を携帯している学生を見ることが多いことから、一定数いるのではないかと推測される。

裏紙を用いた覚えるためのノート。これはまだまともな方で、用語や計算を書きなぐった、膨大な数の「ただのメモ」がある(クリックして拡大)

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