新築 VS. 中古はどちらが合理的?――1年間の支出で比べてみる4-4.住まいの選択、完全理解!(3/3 ページ)

» 2009年01月30日 07時00分 公開
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長期ローンが組みやすくなった中古物件――バブル期とは異なる住宅ローン状況

 中古物件は、当然ながら新築と比べて価格が下がります。その分、ローンの借入金を少額にできるので、支払いに関しては新築より低く抑えられるのがメリットです。「当然」と書きましたが、実はバブル期には、中古価格が新築時の2倍、3倍に跳ね上がることは珍しくありませんでした。一見うれしいことのように思えますが、買い換える先の中古物件も新築物件もやはり高騰していますから、結局はプラスマイナスゼロと言える状態でした。

 そのほかにも中古物件をローンで購入する場合のメリットがあります。バブル期は住宅ローン、特に旧住宅金融公庫のローンには、構造や築年数などによって最長返済期間や借り入れ金額の制限があり、固定金利で35年もの長期ローンを組むことはできませんでした。しかし、現在は「フラット35」のように、固定金利で35年もの長期ローンを組むことも可能です。金利自体も5%以上の時期が長く続いていたバブル期に比べると落ち着きました。

 一方、中古物件が新築物件より不利な点は、固定資産税などの減免措置がほとんど受けられないところです。また、マンションの修繕積立金も、完成から年を重ねるに連れて高額になっていく傾向があります。私たちが年齢を重ねるに連れて医療費がかさむのと同じで、増加する大規模修繕工事費をまかなうために、徐々に修繕積立金を値上げしなくてはならなくなるのです。

新築と中古の費用を総合的に比べてみよう――それほど大きな差はない?

 新築物件と中古物件を比較すると、総合的にはどのような費用の差が考えられるでしょうか。下の表は、同じような地域の新築物件と中古物件と想定した場合の1年間にかかる費用の一例です。

 中古物件の場合は全体の価格が抑えられ、新築物件の場合は減免分で年間費用が抑えられるといったことが言えそうです。まったく同じ条件の物件ではないので一概に比較はできませんが、1年間にかかる費用としては新築と中古で大きな差はそれほどないようです。ただしこの先、税の減免状況が変わりますので、そのあたりは考慮しておきましょう。

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