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» 2009年01月28日 12時00分 UPDATE

ケータイでクルマを借りる――カーシェアリング「careco」スタート

会員制で、短時間でも安く手軽にクルマを利用できる「カーシェアリング」に、三井物産の100%子会社が参入した。1月22日にサービスを開始した「careco(カレコ)」は東京の恵比寿や代官山からスタート。エコカー・コンパクトカーをそろえ、新しいカーシェアリングサービスを目指している。

[吉岡綾乃,Business Media 誠]

 会員になっておけば、短い時間でも安く手軽にクルマを利用できる「カーシェアリング」。1月22日、新しいカーシェアリングサービス「careco(カレコ)」が東京でスタートした。

 クルマを“借りる”サービスといえばレンタカーを思い浮かべる人が多いだろう。カーシェアリングではレンタカーより短い時間でも、クルマを使いたいときだけ借りることができる。例えば「30分だけクルマに乗りたい」といった使い方も可能だ。また、会員制で運用するのも、レンタカーとの大きな違いといえる。もともとは欧州で普及しているシステムで、日本ではオリックス自動車の「プチレンタ」などが知られる(参照記事)

 カレコを運営するカーシェアリング・ジャパンは、三井物産の100%子会社だ。日本のカーシェアリングサービスとしては後発となるカレコは、どこが特徴なのか。副社長・広報担当の鈴木大山(だいせん)氏に話を聞いた。

ay_careco01.jpgay_careco02.jpg 東京・恵比寿にあるcarecoのオフィス(左)。カーシェアリング・ジャパン副社長の鈴木大山氏(右)

まずは都心部からスタート、23区で営業

 カレコのステーションは、東京の恵比寿、代官山、中目黒に7カ所設置されており、1月22日現在は7台のクルマが稼働している。初年度は50〜70ステーションでクルマ100台程度、5年後はクルマ1000台で会員2万人の獲得を目指す。

ay_careco03.jpgay_careco04.jpg 東京・代官山にある「三井のリパーク代官山フォレスト」に設置された、カレコのステーション

 「ステーションを置くエリアは、都心からスタートしました。当面は東京23区を中心に展開します。(カレコの)ユーザーとして、トレンドに敏感な方、環境意識の高い方を想定しているからです。carecoという名前は“car+eco”で、ecoにはecology、economy両方の意味があります」

 利用できる車種は、トヨタ自動車「プリウス」「iQ」や、ホンダ「Fit」など。今後はホンダのハイブリッドカー「インサイト」や、スバルの電気自動車「ステラ」なども導入を予定しているという。「ハイブリッドカーやコンパクトカーを揃えています。小さいクルマといっても、軽自動車にはどうしても、安全性の点で不安を覚えたり、ちょっと安っぽさを感じたりする方がいらっしゃるので、軽自動車は置きません」

携帯のような料金体系、マイカーのように使ってほしい

 料金の基本プランは、入会金が4980円、月額基本料金が1980円。あとはクルマを利用すると、30分ごとに650円の時間料金、1キロメートルあたり20円の距離料金が加算される。ガソリン代も利用料金の中に含まれる。

 基本プランのほかに、9800円コース、1万9800円コース、2万9800円コースといった料金プランを用意しており、たくさん乗る人のほうが安く利用できる仕組み。「毎月どれくらいクルマを利用されるか、先に利用時間を聞いておいて、それに合った料金プランをおすすめするようにしています。ちょうど携帯電話料金のような感覚です」

 他社の場合、短い利用時間だとカーシェアリングで、長い時間の場合はレンタカー、とすみ分けていることも多い。しかし鈴木さんは「30分でも、2〜3日でもcarecoを使ってほしい。マイカーのような感覚で乗ってほしいのです」と話す。

 ちなみに事故を起こしてクルマを破損した場合、利用ステーションまで自走してクルマを戻せれば2万円、戻せない場合は5万円の補償金を支払うことになる。

携帯1つで利用が可能

 利用を促進するには、会員の“使いやすさ”が重要になってくる。かつては会員がノートに使った時間を書き込んで管理していたというが、現在のカーシェアリングサービスでは、会員がICカードを持ち、そのカードを使って会員認証を行うのが一般的になっている。

 しかしカレコではICカードを会員に配布せず、携帯電話のみで利用できる点を特徴としている。使い方は以下の通りだ。

  1. PCや携帯でカレコのサイトにアクセスし、使いたい時間に予約を入れると、会員に携帯メールが届く。
  2. 会員が携帯から、メールに書かれたURLにアクセスすると、利用開始ボタンが現れる。
  3. 利用開始ボタンを押すと、サーバと車載器が通信を行い、クルマのロックが開く(ここから課金が始まる)。
  4. 助手席側のドアを開けるとキーが入っているので、それでクルマを運転する。
ay_careco05.jpgay_careco06.jpg 使いたいクルマの予約は、PCから(左)でも携帯から(右)でも行える。希望する時間に、近所の駐車場にあるクルマが空いていれば利用できる

ay_careco07.jpgay_careco08.jpg 携帯で利用開始ボタンを押し、クルマのロックが開くまで約8秒。ロックが開くと、ハザードが光る(左)。キーは助手席側にささっているので、ここから抜いて使う。使用後は元に戻す(右)

 取材中、鈴木さんが何度も繰り返していたのは「カーシェアリングがかっこいい、という価値観が広まることがブランディングのために大切」ということだった。

 「クルマを持つ人は、これからどんどん減っていきます。間違いない。そのうち、『えーっ、都内でクルマなんか持ってるの?』という感覚が普通になると思うんです。そのために、カーシェアリングをもっと広く普及させなくては、と思っています」

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