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» 2009年01月22日 07時00分 UPDATE

郷好文の“うふふ”マーケティング:フラット化する消費者ニーズ (1/2)

景気の悪いニュースばかりが流れた年末年始。しかし、景気は循環するもの。サブプライムローンが問題視されてから3年目の2009年は、景気回復の年となるかもしれない。新しい時代に向かうため、消費者のニーズを改めてとらえ直そう。

[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷 好文

マーケティング・リサーチ、新規事業の企画・開発・実行、海外駐在を経て、1999年より2008年9月までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略、業務プロセス改革など多数のプロジェクトに参画。 2008年10月1日より独立。コンサルタント、エッセイストの顔に加えて、クリエイター支援事業 の『くらしクリエイティブ "utte"(うって)』事業の立ち上げに参画。3つの顔、どれが前輪なのかさえ分からぬまま、三輪車でヨチヨチし始めた。著書に「ナレッジ・ダイナミクス」(工業調査会)、「21世紀の医療経営」(薬事日報社)、「顧客視点の成長シナリオ」(ファーストプレス)など。中小企業診断士。ブログ→「マーケティング・ブレイン」


 2009年の正月で「あけましておめでとう」は空文句。社内景気も街角景気も新聞紙上の景気もまったく良くない。新年のあいさつも「本年もよろしく。ところでそちらはどうですか?」「いやあ、さっぱりでね」「ウチもですよ。まだ、底が見えない」なんて続いたり。

 金融・不動産から、自動車や部品産業、そして装置産業へと広がる連鎖不況。メーカーでは派遣解除、ライン一時停止、ワークシェアリング、そして帰休まで広がっている。この半年で売上が半減した企業も珍しくない。多くの企業が縮こまる冬。だが春が来た時、縮小しすぎて羽根まで失っていると、追い風が吹いた時に飛べなくなる。

2009年は消費経済の転換点になる

 いつ、“春”はやってくるのか? 先日、コンサルタント業の知人と話していると、先輩のAさんが興味深いことを言った。

 「人間は飽きる動物、不況にも飽きるものです。縮こまるのも3年も経てば、『そろそろもういいや』と思うものですよ」。“3年サイクル”ということか。確かに市場経済は3年強(キチン循環)、10年前後(ジュグラー循環)のスパンで変化するのは歴史の示すところ。

 米国でサブプライムローンの流動性が問題視され始めたのは2006年前半で、そこから住宅価格の上昇率が急速に鈍化。その年の後半にかけて延滞率が上がり、2007年からヘッジファンドが相次いで破綻、金融商品をめぐるババ抜きゲームが始まった。景気循環の波が3年強ということなら、2009年半ばが景気の最初の転換点と言えるかもしれない。

 もちろん、米国の景気回復と日本の景気回復が同調するとは限らない。オバマ大統領の“CHANGE”は「現状はこうだ。このままだとこうなる。だから今必要なことはこれだ。そのためにこうしてくれ」という力強いメッセージで後押しされる。日本はどうだろうか。

 コンサルタント会社の営業マンに聞くと仕事はあるという。仕事の内容は内部統制業務といった制度ガチガチの仕事ではなく、オバマの“CHANGE”に近いそうだ。「変わろう」を社内に広げられるコンサルタントには仕事があるという。

 実は危機的な状況の中で、嗅覚の鋭い経営者は気付いているだろう。ビジネスゲームのルールを“CHANGE”するチャンスが到来していることを。今、足元では消費心理の本質的な変化のきざしがあるのだ。私流に言えば“消費者ニーズのフラット化”である。その兆候をいくつか挙げよう。

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