ミニノートPCは好調だったものの、2008年第4四半期のPC市場は不調に終わった。米調査会社IDCとGartnerが1月14日に報告した。
IDCの調査では、同四半期のPC出荷台数は前年同期比0.4%減。約6年ぶりの減少となった。PC購入が予想以上のペースで景気後退の影響を受けたと同社は述べている。低価格ノートPCやベンダー間の競争、年末商戦のプロモーションでは不況を覆すのに不十分だったとしている。
ノートPCの出荷台数伸び率は約20%と、第1〜3四半期の約40%から半減。デスクトップPCの出荷台数は、第1〜3四半期までは前年同期比で微減だったが、第4四半期は約16%減となった。同四半期のミニノートPCの出荷台数は推定でおよそ500万台、2008年通期では推定約1000万台、ノートPC市場に占める割合は7%。2009年には出荷台数が倍増する見込みだ。
2008年通期のPC出荷台数は、第4四半期が不調だったにもかかわらず、前年比で10.5%増えた。ベンダー別では、Hewlett-Packardが首位を維持し、Dell、Acer、Lenovo、東芝と続く。
順位 | ベンダー | 2008年出荷台数 | 2008年シェア | 2007年シェア | 2008年の出荷台数伸び率 |
---|---|---|---|---|---|
1 | HP | 56,971 | 19.2% | 18.8% | 12.7% |
2 | Dell | 44,438 | 15.0% | 14.9% | 11.0% |
3 | Acer | 32,506 | 10.9% | 7.9% | 53.3% |
4 | Lenovo | 21,905 | 7.4% | 7.5% | 8.3% |
5 | 東芝 | 13,713 | 4.6% | 4.1% | 25.1% |
その他 | 127,708 | 43.0% | 46.9% | 1.3% | |
合計 | 297,240 | 10.5% | |||
(資料:IDC) |
米国市場では、Dellが引き続き首位で29.5%のシェアを獲得。以下、HP(シェア24.9%)、Acer(同9.1%)、Apple(同7.7%)、東芝(同5.5%)が続く。第3四半期はAppleがAcerを抜いて3位に入っていたが、第4四半期に逆転されて4位に転落、通年でも4位となった。
IDCは今後について、「PC購入の再開には、経済基盤の回復が必要で、2009年前半は非常に不安定に思える」とし、「回復が2010年になっても驚かない」とも述べている。
一方Gartnerの調査では、第4四半期のPC出荷台数は7810万台で、前年同期比1.1%とわずかながら増えている。不況のため、米国では出荷台数が減少し、EMEA(欧州、中東、アフリカ)も減速。ラテンアメリカは予測に達したものの、これまでよりはかなり成長率が低く、アジア太平洋地域はGartnerが調査を開始して以来、最低の成長率だったという。
年末商戦期のけん引役となったのはミニノートPCで、ノートPC全体を上回る成長率だった。低価格マシンの人気と平均販売価格の下落で、PC売上高は記録的な減少だった。
2008年通期のPC出荷台数は前年比10.9%増の3億220万台。ベンダー別の順位はIDCの調査と同じでHP、Dell、Acer、Lenovo、東芝となっている。
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