景気後退で打撃、第4四半期のPC市場は不調

» 2009年01月15日 17時33分 公開
[ITmedia]

 ミニノートPCは好調だったものの、2008年第4四半期のPC市場は不調に終わった。米調査会社IDCとGartnerが1月14日に報告した。

 IDCの調査では、同四半期のPC出荷台数は前年同期比0.4%減。約6年ぶりの減少となった。PC購入が予想以上のペースで景気後退の影響を受けたと同社は述べている。低価格ノートPCやベンダー間の競争、年末商戦のプロモーションでは不況を覆すのに不十分だったとしている。

 ノートPCの出荷台数伸び率は約20%と、第1〜3四半期の約40%から半減。デスクトップPCの出荷台数は、第1〜3四半期までは前年同期比で微減だったが、第4四半期は約16%減となった。同四半期のミニノートPCの出荷台数は推定でおよそ500万台、2008年通期では推定約1000万台、ノートPC市場に占める割合は7%。2009年には出荷台数が倍増する見込みだ。

 2008年通期のPC出荷台数は、第4四半期が不調だったにもかかわらず、前年比で10.5%増えた。ベンダー別では、Hewlett-Packardが首位を維持し、Dell、Acer、Lenovo、東芝と続く。

2008年の世界PC出荷台数(単位:千台)
順位 ベンダー 2008年出荷台数 2008年シェア 2007年シェア 2008年の出荷台数伸び率
1 HP 56,971 19.2% 18.8% 12.7%
2 Dell 44,438 15.0% 14.9% 11.0%
3 Acer 32,506 10.9% 7.9% 53.3%
4 Lenovo 21,905 7.4% 7.5% 8.3%
5 東芝 13,713 4.6% 4.1% 25.1%
その他 127,708 43.0% 46.9% 1.3%
合計 297,240 10.5%
(資料:IDC)

 米国市場では、Dellが引き続き首位で29.5%のシェアを獲得。以下、HP(シェア24.9%)、Acer(同9.1%)、Apple(同7.7%)、東芝(同5.5%)が続く。第3四半期はAppleがAcerを抜いて3位に入っていたが、第4四半期に逆転されて4位に転落、通年でも4位となった。

 IDCは今後について、「PC購入の再開には、経済基盤の回復が必要で、2009年前半は非常に不安定に思える」とし、「回復が2010年になっても驚かない」とも述べている。

 一方Gartnerの調査では、第4四半期のPC出荷台数は7810万台で、前年同期比1.1%とわずかながら増えている。不況のため、米国では出荷台数が減少し、EMEA(欧州、中東、アフリカ)も減速。ラテンアメリカは予測に達したものの、これまでよりはかなり成長率が低く、アジア太平洋地域はGartnerが調査を開始して以来、最低の成長率だったという。

 年末商戦期のけん引役となったのはミニノートPCで、ノートPC全体を上回る成長率だった。低価格マシンの人気と平均販売価格の下落で、PC売上高は記録的な減少だった。

 2008年通期のPC出荷台数は前年比10.9%増の3億220万台。ベンダー別の順位はIDCの調査と同じでHP、Dell、Acer、Lenovo、東芝となっている。

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