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» 2009年01月08日 07時00分 UPDATE

郷好文の“うふふ”マーケティング:ノートカバーは屈折心理をカバーする――コクヨ「SYSTEMIC」 (1/2)

コクヨのノートカバー「SYSTEMIC(システミック)」を“周回遅れ”で購入した私。購入を迷った理由を突き詰めていくと、そこには屈折した感情があった。

[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷 好文

マーケティング・リサーチ、新規事業の企画・開発・実行、海外駐在を経て、1999年より2008年9月までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略、業務プロセス改革など多数のプロジェクトに参画。 2008年10月1日より独立。コンサルタント、エッセイストの顔に加えて、クリエイター支援事業 の『くらしクリエイティブ "utte"(うって)』事業の立ち上げに参画。3つの顔、どれが前輪なのかさえ分からぬまま、三輪車でヨチヨチし始めた。著書に「ナレッジ・ダイナミクス」(工業調査会)、「21世紀の医療経営」(薬事日報社)、「顧客視点の成長シナリオ」(ファーストプレス)など。中小企業診断士。ブログ→「マーケティング・ブレイン」


 文具の新製品を迷わず衝動買いする私だが、“周回遅れ”で購入した文具がある。

 それはノート文具好きが注目する商品、コクヨのノートカバー「SYSTEMIC(システミック)」だ。機能も素材もいいしデザインも悪くなさそうだし、買って失敗だったとしても嘆くほど高価格ではない。私のブログでも発売前にいち早く取り上げたのだがなぜか、「買うべきか買わざるべきか」と迷ってしまったのだ。迷いの理由を突き詰めていくと、その理由は少し屈折していた。

ah_systemic.jpg コクヨのノートカバー「SYSTEMIC(システミック)」

SYSTEMICには機能美がある

 コクヨは用途の違う2冊のノートを同時に使う人が多いことに着目、2冊のノートをしっかりホールドするノートカバーとしてSYSTEMICを開発した。スケジュール帳と自由帳、パーソナルな日記帳と仕事のノートなど、自由自在にノートを組み合わせられる。サイズはA6/A5/B5の3種類で、私はA5をチョイス。コンサルの仕事用ノートとクリエイター支援事業用ノート、2つのノートを使い出した。

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 ツートンカラーの表紙にはポケットがある。その隙間に筆記具やポストイットなど小物を収納できるし、しおりひもが2本付くのも便利。ノートをカバーするだけではなく、実用性も提供してくれる機能美が秀逸だ。価格はノート1冊付きで1155円(A6)、1365円(A5)、1575円(B5)。

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着流しで仕事ができないから

 私は元々ノートカバー・マニアである。マーケティング・リサーチャーとして企業や図書館を訪れ、小売店の取材に歩いていたころからノートカバーには凝っていた。ビニールカバーに始まり、革カバー、布カバーなど幾つものノートカバーを購入した。ムキ出しのノートで取材すると、相手を軽視していると思われそうだし、自分が軽く見られてしまうとも思ったのだ。だが、いずれのノートカバーも安っぽかったり重かったりホコろびたりで、満足したことはなかった。

 ノートカバーに凝る私とは対照的に、当時の同僚で伝説のリサーチャーと言われていたS氏はシンプルなスタイルを貫いていた。どこにでも売っているようなコクヨB5ノートをそのまま丸めて左手に持ち、BICの定番ボールペンを右手に、取材先である大企業の廊下を一張羅の背広でずんずんと歩いていたのだ。ペン1本、ノート1冊という潔い姿。伝説のリサーチャーにはぴったりなスタイルだが、とてもそんな着流しスタイルで仕事できない私は、せめてノートカバーで箔(はく)を付けたかったのだ。

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