10分弱の会見の後、20分ほど質疑応答があり、その後森社長が廊下で囲み取材を受けた。その内容をお伝えする。
――社長自ら現場にお越しになることもありましたが、こういうことになったお気持ちを聞かせていただきたい。また、SWRTを始めとする現場のスタッフにどのように伝えたかも教えてください。
森 気持ちはどうかというのは私を見ていただければ分かると思いますが、残念です。続けたかったというのが事実ですね。
どのように伝わったかということですが、今日の会見に合わせて、SWRTのメンバーには明日朝になると思うのですが、現地でデビット・リチャーズから話をすることになると思います。どういう風に伝わるかというのはこれからだと思いますが、基本的には我々は事前にデビット・リチャーズにお話をさせていただきましたし、誠意を持って対応したので、ご理解いただけるのではないかなと思います。
――WRCのワークス活動を終了と資料にあるのですが、これは休止ではなく今後復活の可能性がないということを意味するのでしょうか。また、ほかのモータースポーツ活動ということでWTCC(世界ツーリングカー選手権)に出るのではといううわさがありますが、具体的に話が進んでいれば教えてください。
森 「今後参戦することはないか」というご質問ですが、未来永劫ない、全然ないということではないと思っていますが、当面は復活することは考えておりません。今回で終わるという風に考えております。
2点目ですが、次にどういう方法でスバルのマーケティングをやっていくのか、アピールをしていくのかということだと思いますが、具体的にWTCCでやろうとかそういうことを決めてるわけではございません。これからどういう方向が本当にいいのかということを、よく検討しながら進めていきたいと思っております。
――撤退は今月になってから決断されたのですか?
森 正式に機関決定したのは昨日です。
――「終了を1年前倒しした」という言葉がありましたが、2010年にはやらないということが決まっていたのでしょうか?
森 今のままでいけば2009年には何らかの手を打たないとだめだろうなとは思っていました。これは終了するということではありません。
――ホンダF1撤退とスズキWRC撤退、これがスバルさんのWRC撤退に与えた影響はありますか?
森 直接にそれが原因になってこの判断をしたということではありません。
――ということは、その2社が撤退しなくても撤退した可能性はあったのですか?
森 可能性としてはあります。可能性という言い方をすると何でも可能性になりますが。
――今回の決定に(筆頭株主の)トヨタ自動車の意向が入った部分はありますか?
森 それは全然ないです。
――WRCが2009年からは、2年ですべての開催地を回る形式に変わります。2009年のコースには日本や有名なモンテカルロがない、そういう新しいフォーマットが魅力的でなかったから撤退が早まったということはありますか?
森 さっきの話と同じで、直接的にそれが原因になったということではないです。
――先日FIA(国際自動車連盟)から2010年以降のWRCのレギュレーションが発表されたのですが、その中でスバルさんが得意とするGroup Nに関する情報が全く伝わってきませんでした。この撤退は、Group NというクルマをないがしろにするFIA、WRCに対する1つの解答なのでしょうか?
森 ここも先ほどと同じ答えになりますが、それが直接の理由ではないということです。
――社内からの異論はありましたか?
森 一応役員会で決めましたからね。いろいろ論議した中で一番いい方法をとろうということで決めましたので、当然いろんな意見はありましたが、最後はまとまりました。
――WRCからの引き留めはありましたか?
森 それは特にないです。
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