どうなる、こうなる首都圏の道路網――(最終回)首都高・圏央道編近距離交通特集(2/4 ページ)

» 2008年12月16日 16時23分 公開
[青山祐輔,Business Media 誠]

進行が遅れ気味の横浜市内

 圏央道は、神奈川県横浜市栄区の釜利谷JCTからスタートする。湘南の海沿いの内陸部を走るルートで、戸塚を通過して藤沢ICで新湘南バイパスと接続する。この釜利谷JCTから藤沢ICまでの約15キロメートルは、2015年の開通を目指しており、その全区間の7割が地下トンネルか掘割構造(周囲の地面より掘り下げた構造)で構成されている。

 しかし、この区間は住宅地を通過することもあり、圏央道で最も進ちょくが遅れている区間でもある。とくに釜利谷JCT付近は、2008年5月の時点で62%しか用地を手当てしておらず、2015年の開通が危ぶまれている。

 この事業を担当している国土交通省の関東地方整備局横浜国道事務所では「地域とのコミュニケーションを図りつつ事業を進める」として、周辺住民に道路開通や工事自体の影響について説明を行なっており、徐々に進展しつつはあるようだ。

神奈川県・東京都を縦に貫く「さがみ縦貫道路」

 藤沢ICからは新湘南バイパスとして開通済みのルートを通り、新設予定の西久保JCT(仮称)から再び新道路が始まる。ここからほぼ真北に向かって走り、八王子南IC(仮称)に着くまでの約34キロメートルが「さがみ縦貫道路」として整備が進められている。

 西久保JCTから海老名北JCT(仮称)、海老名北IC(仮称)を通り、相模原IC(仮称)までの約21キロメートルは、用地買収から工事まで順調に進んでおり、2010年度までに順次開通する予定だ

 相模原ICから八王子南ICまでの約13キロメートルは、2012年開通予定となっている。この区間は山間部にさしかかるため、トンネルや橋梁が多くなる。わずか13キロメートルの区間にトンネルが5カ所(城山八王子トンネル、川尻トンネル、小倉山トンネル、紅葉山トンネル、愛川トンネル)、橋梁が10カ所(中沢第一橋、中沢第二橋、相模川橋、原橋、串川橋、小倉高架橋、下倉川橋、藤木沢第二橋、藤木沢第一橋、下河原橋)もあるのだ。

 この区間では、神奈川県相模原市城山町の工事予定地で、大量の土砂の不法投棄が発覚するというトラブルに見舞われた。このため当初は橋となるはずの場所がトンネルに変更されることになったが、今のところ2012年開通の予定は変更されていない。

赤線は開通済み、緑線は未開通(出典:Google Map)

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