オフィスで使用済みコピー用紙を再生紙に――明光商会エコプロダクツ2008

» 2008年12月12日 09時00分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 オフィスで毎日のように出る使用済みの紙。裏紙として再利用しても、最終的にはシュレッダーにかけてゴミとして捨てるしかない。何とかうまく利用する方法はないだろうか?

 そんなビジネスパーソンの悩みを解決してくれる機械が、エコプロダクツ2008で紹介されていた。

コピー用紙を再生紙に

 「世界初」の看板を掲げて明光商会のブースで紹介していたのが、「古紙再生装置(仮称)」。溶解機と紙すき機がセットになった装置で、使用済みのコピー用紙を原料として再生紙を作ることができるのだ。

古紙再生装置(仮称)

 溶解機に古紙を投入すると、ミキサーでドロドロに溶解してパルプ水とする。そして溶解機から送られてきたパルプ水を、紙すき機で乾燥させて再生紙とし、A4サイズにカットして排出するのだ。一連の作業は自動的に行われ、古紙を機械に入れれば、後は再生紙が排出されるのを待つだけだ。

溶解機に紙を入れると(左)、再生紙を作れる(右)

 古紙を投入してから2〜3時間で再生紙を作れ、10時間の連続運転で1500枚まで生産可能だという。「しかも漂白剤などはまったく使わずに、水だけで作れるので環境に良い」(明光商会)。

 1日10時間使うとすると、水の使用量は約200リットル(水道代:約48円※)、消費電力は約38kWh(電気代:約836円※※)となる。

※東京都内、2008年11月末時点の料金をもとに換算。
※※全国10電力会社平均単価(1kWh=22円、月間使用量295kWh/月の場合から計算。
再生紙を作る仕組み(出典:明光商会)

 明光商会は国内のオフィス用シュレッダー市場で80%のシェアを占めているのだが、「シュレッダーの営業をする中で、『使用済みのコピー用紙がゴミになるので、何とかしてほしい』という要望があったのが開発のきっかけ」という。

 製造を担当するのは文具メーカーのシード。2009年5月に発売予定で、価格は840万円(税込、搬入設置費は別途)。溶解機の寸法は650×1500×1200ミリ(幅×奥行き×高さ)、重さは285キログラム。紙すき機の寸法は650×1500×1200ミリ(幅×奥行き×高さ)、重さは295キログラム。

古紙再生装置で作った再生紙で制作したパンフレット。トナーの黒点が目立っているため「社外用文書には使えないが、社内用文書になら十分使えるレベル」(明光商会)

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